ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「順子」その11

聴覚は
聞こえないほどの声や
遠くの音で聞こえないと考えられるような音を
順子は聞こえました。

実際の音ではなく
相手が
心に思っていることも
聞こえてくるのです。

初めて
聞こえはじめた時は
順子は
びっくりというか
困惑というか
大変なことでした。

友達と思っていたのに
そうではないと
わかってしまったときの
落胆は大きいものでした。

しかし
その声は
聞こえないことにしました。

聞こえないふりをして
その場は
切り抜けました。

順子は
そんな風に思われているのは
自分のせいだと
思うことにしました。

陰日向なく
接していたら
きっと
本当の友達に
成れると
思っていたのです。

そこまでの声は聞こえなくても
「小さい」という声は
道を歩いていると
よく聞こえました。

順子は
中学生になっても
小学4年生くらいしかの
背丈で
おまけに童顔だったのです。

目がくりくりとしていて
可愛い順子が
セーラー服の
制服を着ていると
中学生なのに
小さいと
誰もが思うのは
当然です。

「ちいさい」と
言った
人に
笑顔で
会釈をすることにしていました。

朝で
近所の人なら
順子の方から
「おはようございます」と
言うようにしていました。

そんなことをしていると
「ちいさい」と言う言葉から
「かわいいね」に
それから
「よくできた子ね」に
変わっていきました。

こんな風にして
順子は
背はともかく
心は
成長していきました。