ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「順子」その38

総合診療科の初日は
患者は
ひとりだけでした。

有名でもないし
誰も案内しないので
当然と言えば
当然です。

看護師も
手持ちぶさたで
受付で
眠たそうに
座っているだけです。

順子も
ひとりでは
全く
ダメだと
思ってしまいました。

それを見ていた
総合診療科にしろと言った
教授は
笑っていました。

南くんは
そのことを
看護師から聞いて
翌日は
何やら
みんなに言って回りました。

翌日は
思いのほか
患者が集まりました。

南くんは
病院の
ボランティアの
案内係の人や
受付の看護師に
病名がわからないときには
総合診療科が良いと
言って回っていたのです。

その効果は
相当あったのですが
順子が
ゆっくりと
診ていると
昼までかかる
人数でした。

しかし
順子は
患者を見るなり
その病名がわかるので
サッサと
終わってしまうので
総合診療科の待合室には
誰もいませんでした。

そんな日が
数日過ぎ
数ヶ月過ぎました。

順子は
やることが
ほとんどないので
もっぱら
本を読んでいました。