ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「ふたりで行くよ」その17

自力で
避難所を
出る人も
多くいましたが
父親の仕事の関係で
遠くの
賃貸住宅は
借りることができないので
避難所暮らしを余儀なくされていました。

梅雨の季節が来ると
仮設住宅に
当たる人がいましたが
正弥の家族は
優先権がないので
もれてしまいました。

だんだんと
体育館の人数が
少なくなってきたときに
ダンボールで
仕切りができて
それなりの
プライバシーも
確保できてきて
正弥にとっては
待ち待った
テレビも見れるようになりました。

今まで住んでいた部屋が
取り壊しになることが
わかったので
父親は
少し離れた
尼崎市に
引越しを決めました。

部屋の荷物を
すべて出して
引越しです。

引越し先は
今まで住んでいた部屋より
小さかったけど
避難所よりは
ましと思いました。

中学校が転校になるので
正弥にとっては
大きな変化ですが
避難所のことを考えると
許せると
思いました。

新しい中学校は
避難所からの転校ということで
みんなは
同情的でした。

先生をはじめ
みんなは
妙にやさしくて
勉強ができなくても
宿題をしなくても
許してもらえました。

そんな理由で
正弥の
勉強は
はかどりませんでした。