ふたりとも 映画に感動して 感情的になってしまったのです。 そんな風になって 黙って 映画館を出て 喫茶店に入りました。 由美子は 席に座って 一呼吸置いて 映画を見る前のことに やっと思い出しました。 あの続きをしないと 誤解されたままでは と思ったのです。 そこで 反復しました。 由美子: 私たちは 付き合っていません。 それに 私は あなたのことを 好きでもありませんし 第一 あなたのことを 何も知りませんし と言いましたよね 上羽は 映画の世界から まだ帰ってきていなくて ロマンティックな世界に 浸っていました。 由美子の質問を あまり理解していないような 答を したのです。 上羽: そんな そんな事ないでしょう また冗談を言って こんど 僕の両親にあってもらうから 説明するね (全然理解していない 大きな声で 言ってやろう) 由美子: 何を言っているの 私は あなたのことを 好きでないの だから 付き合っていないの それに気付いて下さい わかりましたか。 上羽は 現実の世界に帰ってきて 「わかりました」と 小声で言ったのです。 その後すぐに 上羽: 付き合っていないことは わかりました。 だったら 今から 付き合って下さい。 絶対に あなたを幸せにしますから (まだわからないみたい ハッキリ言った方が いいよね) 由美子: 付き合いません (またまた言ってやったわ)