ゼミを終えて 帰ってきた 上羽と 大学から帰り始めました。 来た時より 由美子は 暗い表情でした。 大学へ行きたいのに いけないためのものだと 上羽は 思いました。 上羽も その表情から 由美子のことが わかりました。 ふたりは黙って 電車に乗って ふたり並んで 座りましたが 会話はありませんでした。 「またね」と 言って ふたりは別れました。 それ以来 由美子は 勉強にも 仕事にも 身が入りませんでした。 上司からも 注意されたくらいです。 上羽からは 同じように メールがやってきていました。 一週間くらい経った頃 上羽からの メールを見た 由美子は あまりの内容に 唖然としました。 いつものように 近況の内容でしたが 最後に 「大場さん 大学に行くのを 応援します。 僕も やっと 就職が決まって 経済的に 余裕ができました。 大場さんが 大学に行くのを 金銭的に 応援します」と 書かれていました。