ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「妖精の休日」その14

来住家は
都会の近くで
中央市場までは
大きな国鉄の線路を渡って
自転車で
30分ほどの所にありました。

麦が売れなくなって
現金収入が
少なくなり
野菜に力を入れることにしていました。

しかし野菜の値段は
はじめから安くて
豊作貧乏になることが
たびたびでした。

自転車の
後ろに
重いリヤカーを付けて
運んでいっても
千円にもならないことも
たびたびです。

前の晩から
用意して
まだまだ陽が昇らない頃から
働き始めて
やっと作った
リヤカー一杯の
野菜も
それだけしかありません。

労働力が必要ですが
腰の曲がったおばあさん
悟
それに弥生です。

悟の妹は
お嫁に行って
今はいませんから
3人です。

湖子は
小さくて
役に立つほどでもありませんが
手伝っていました。

こんな月日が
1年ほど流れて
悟は
働き出ることを決意しました。

村の近くに
大手電機メーカーの
倉庫ができて
募集していたのです。

なにしろ
今のように
機械化されていませんから
力持ちの従業員が
大勢必要なのです。

勤務時間は
8時から5時まで
土曜日は12時まで
日曜日は休みです。

会社の休みの時は
農業をしていました。