大きな声で 「痛いです」と 叫んだんですが 医師団は 継続を 告げました。 歯医者さんに行って 「痛い時は手を挙げて下さい」と 言われながら 手を挙げると 「我慢して下さい」と 言われるのと同じような気がしましたが 傷みの程度は そんなどころではありませんでした。 ひたすら終わるのを 願いました。 輸血パックに たくさんのチューブが出ていて それが 所々で くびれています。 よくよく見ると チューブを取った後があります。 もともとは いくつあるのかと言うことを 探りながら 時間が経つのを 待ちました。 ながく待って いろんな事を 考えました。 このまま死んでしまいたいと その時はじめて思いました。 死んだら 傷みもなくなり それに 和己や弥生との 離別の 心配は なくなります。 そんな考えが 頭の中を 堂々めくりして 最後に 「神さま 私の人生を 最後にして下さい」と 言ってしまいました。 この休暇を終えたら 神さまと同じものに なる予定がある 湖子が そんな事を 言ってしまったのです。 神政庁に勤める もうひとりの湖子は 神さまに それを どのように告げればいいか 考え込んでしまいました。