ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その8


診察室には
大きめの椅子に
教授が座っていて
そのまわりに
インターン・看護婦が
立って待っていました。

この中に
5人が入れば
看護師の数人は
部屋から出るしかありませんでした。

大勢の
心配そうな
顔で眺められて
医師は
躊躇しました

ギュウギュウの
診察室で
医師は
大勢の
保護者に
丁寧に
同じことを言いました。

手術を
すすめました。

お祖父さんから
いろんな質問が
ありました。

本人の
雪子は
小さかったので
頭の上で
難しいことを
話し合っていたという
記憶しかありません。

最後に
お祖父さんが
「皆様で
お召し上がりください」と
持って来た
包み紙を渡しました。

「ありがとう」と
言って
医師は受け取り
助手に渡しました。

狭い廊下の片隅で
老練な
看護婦さんが
入院の予定について
詳しく説明を受けました。

あまり事情がわからない家族は
心配で心配で
仕方がありませんでした。

当の本人の
雪子は
大勢に
見られて
はずかしいとだけ
思っていました。