ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その77

「ここ涼しいね」と
篠原君は
気に入ってしまいました。

雪子の母親が
おやつを
持って来ました。

夏ですので
アイスクリームと
ジュースです。

母親は
篠原君に
いろんな事を
聞いてきました。

どこに住んでいるとか
親は何をしているかとか
兄弟は何人で
何番目かとか
今なら
就職試験でも
聞かない項目でした。

別に
隠すことでないし
母親の
優しい声で聞かれると
話してしまいました。

その後
ふたりで
ゆっくり食べました。

篠原君にとっては
棚からぼた餅
青天の霹靂
偶然の積み重ねというので
こんなに
雪子と
仲良くできて
嬉しかったです。

永遠に
この時間がつづけばよいのにとおもい
このまま
この座敷に
住みつこうかと
思ったのですが
そうとはいかず
帰る時間になったので
雪子に
門まで送ってもらい
かえりました。

夕方になって暗くなると
門までたどり着くのは
難しいので
雪子は
送ったのですが
それが
篠原君には
最も
嬉しかったのです。