ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「東大阪のお嬢さま『雪子』」その90

篠原君は
その情景を見て
次の様に誤解してしまいました。

雪子は
南君と
付き合っていて
その度合いも
相当だと
考えたのです。

結論は
「ぼくの居るところはない」
でした。

篠原君は
気が弱いので
ふられるとわかっているところには
近づきません。

面と向かって
雪子に
「篠原君は嫌い」なんて
言われたら
救いようもない
無間地獄に落ち込んでしまいます。

それから逃れるためには
雪子に
近づかないこと
見ないことを
心の中で
誓ったのです。

ちょうど
夏休みになって
会える機会もなくなって
その誓いは
実行されることになります。

夏休み明けからは
雪子は
卒業のための講義
篠原君は
衛生工学の研究室で
卒論の研究になっていて
物理的に
会うことは
できなくなっていたのです。

篠原君は
卒業研究に
没頭しました。

もちろん
雪子を
忘れるためです。

雪子に会いそうな
5階の講義室には
絶対に近づかずに
朝早くから
よる暗くなるまで
研究室にこもっていました。