ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「最期の恋愛」その2

彼女は
56歳で
夫は10年前に死別して
今は独り身です。

不動産デベロッパーで
営業部の課長ををしていました。

昨年に
胸に違和感を感じて
病院に行って
乳癌と診断されました。

右乳房全摘で
手術は成功したということになっていたのですが
経過観察で再発が
確認されたのです。

仕事に復帰して
バリバリ仕事をしていたのに
青天の霹靂です。

医師は
どういう訳か
楽観視しているので
彼女も
同じように
この病状を
楽観視していました。

でも
抗がん剤治療を
甘く見ていた彼女は
同姓同名の
彼が
苦しんでいるのを見て
大変な現実を
感じました。

彼は
彼女より2歳年上の
58歳
大きな電気会社で
入社してから
開発部門に勤めています。

社内の健康診断で
肺に影があることがわかり
精密検査を言われたのですが
軽く見ていて
4か月後に
行くと
すぐに手術になって
抗がん剤治療へと
進んで行ってしまいました。

抗がん剤
利尿薬とが併用になっていて
腎臓を守るために
水を飲んで
おしっこをすることを
勧められていました。

そのため
辛そうな彼は
ペットボトルで水を飲んで
20分に1回のわりで
トイレに行かなければならなくなっていました。

その様子を
彼女は
観察していたのです。

彼が
何回目かの
トイレの時に
目と目が
会ってしまいました。

どちらも
軽く会釈しました。

戦友とも言うのでしょうか。

ガンに戦うふたりは
目と目で
戦友と感じていました。