死に向かっている
自分の状況を
一瞬彼は忘れました。
でも
正気に戻って
合理的に考えて
彼女のような
美人が
私に
言い寄るのは
なんかあるのではないかと
思いました。
彼は
財産もないので
財産目当てでもあるまいし
何かわかりませんでした。
何度目か
彼女と会ったときは
「ホテルに行こうか」と
誘われたくらいですが
躊躇していると
「冗談よ」と
言い直しました。
彼は
なんかあると
思って
聞いてみました。
彼:
今更なんですけども
なぜあなたは
私に興味をもたれたのですか?
彼女:
特にありません。
偶然会ったときに
何となく
です。
彼:
じゃ
私のどんなところが良いんですか
もっさいのに
彼女:
男の人は
外見ではないですよね。
仕事を
していてわかっています。
彼:
じゃ
中身のどこが
これといった
取り柄もないように思うのですが
彼女:
優しいところですかね。
同じ病気だからかもしれませんね。