ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「後半戦はこんな作戦で」暑い夏の思い出編その2

カオルは
懐かしいことを
立て続けに
電話の向こうで
話し始めました。

入学式に
理子が遅れてやってきたこととか
生徒会長選挙で
カオルと争ったこと
運動会で
リレーで
僕の
手渡したバトンを理子が落としたこと
それから
いろんな話をしてくれました。

でも

私にとって
カオルは

遠い存在で
普通に話すことなど
なかったのに
私について
なぜこんなことまで
覚えているのかが
不思議でした。

昔も今も
話し上手な
カオルですから
話は盛り上がりましたが
理子は心中穏やかではありませんでした。

小一時間ばかり話した後
最後にカオルが
「プールにでも
一緒に行きませんか。

また連絡します。」と言って
電話は切れました。

その言葉で
理子は
思い出したくない
暑い夏の日の悪夢を思い出してしまいました。

それは
高校3年生の時
理子は
3年目になる
プール監視員の
助手をしていました。

頭から飛び込もうとする人に
注意する係です。

競技用水着の上に
白の長めのTシャツを着て
プールの回る仕事です。

そんな仕事をしていた夏の暑い日
カオルがプールにやってきたのです。

カオルは際立って目立つので
遠くから
わかったのです。

ジーっと見ていると
女性が
一緒にいるではないですか。

どう見ても仲がいい
恋人同士のような
近づき方です。

理子は
それを見て
愕然としました。

片思いの恋が
終わったと思いました。

それ以降
カオルから遠ざかるように
していました。

それまでは
できるだけ近づくため
生徒会長にも立候補して
リレーの選手になるために練習もしました。

それからは
理子は
「誰も好きにならない」という
誓いを立てて
今日に至ったのです。