ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

過去に戻ってしまったわ? 第7話

阪急稲野駅から降りて
工場の横を通って
寮に向かいました。
大きな交差点を
渡ろうとしたとき
十詩子は
思い出しました。

『あっ』
と驚きました。
そして
思わず口を塞ぎました。

そうなんです。
この交差点で
今隣にいる
冴子が
亡くなったのです。
思い出さなかったけど
今はっきりと思い出しました。

あれは
昭和54年8月5日の夕方
工場を定時に終わって
寮に向かっていて
この交差点で待っていたときのことです。

ふたりが
青になるのを待っていると
突然
白い車が
突っ込んできて
冴子はいなくなりました。
冴子は
悲鳴を上げる間もなく
車に引きずられ
下敷きになったのです。

下敷きになった
冴子を助けるために
付近の歩行者達は
車を持ち上げ
やっとこさ
引きずり出しました。
近くの消防署から
救急車がすぐにやって来ました。

署員が
『心肺停止』
と大声で
同僚に言っているのが聞こえました。
真由子も一緒に救急車に乗り込みました。
その後
冴子は
病院に運ばれましたが
病院では
死亡を確認するだけでした。

こんなとんでもないことが
二ヶ月半後にやってくるのです。
何としても
止めさせなくてはいけないと
確信しました。