2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧
家に帰ると 待っていたかのように 電話がかかってきました。 敬子からの電話でした。 セカンドオピニオンについての 電話でした。 十詩子の会社は 以前は 大きな病院も持っていて その関係で いろんなルートで 東京の 名医にたどり着いたそうです。 外科医で…
病院は近くです。 公立の病院で 地域では ナンバーワンということになっています。 受付で 紹介状を渡して 待合で待っていると 番号を呼ばれて 診察室に さん人は入っていきました。 40過ぎの 医師が 紹介状を 見ながら 十詩子の方は見ずに 「残念ですが 主…
悟は 驚きました。 昨日とはうってかわって 元気なんです。 いつものように 食事の時には なんだかんだと 話しかけてくるのです。 悟も 創も からげんきだと 思いました。 創が セカンドオピニオンの 何人かの先生を 探し出してきたのです。 9時なったら 電…
急な階段は 一段の高さも高いし 足をのせる段も狭いですよね。 先日 健康番組で スクワットが良い放送していたので スクワットをしました。 深くした方が 効果があるというので 深くしたのですが 何分年齢ですので 膝を痛めて染ましました。 私は 2階住まい…
大根と人参鶏肉の煮物 わかめのお味噌汁が 出来上がったので 十詩子と 創を呼んで 夕ご飯になりました。 いつもの 食事とは 全く違いました。 楽しく あーだ こーだと 話して ゆっくり食事をするのが 常でした。 何も おしゃべりすることなしに 食事が終わり…
医師は 今わかっていることを 詳しく説明してくれました。 悟と十詩子は うなずいてはいましたが 何が何だか わかりませんでした。 最後に 「セカンドオピニオンが必要なら 検査結果を お渡します」と 付け加えました。 十詩子は よく理解しないまま 「お願…
医師にとって 告知は 日常茶飯事ですが 思慮深い 医師なら 話すことが おっくうになるものです。 電子カルテで エコーの 画像を示しながら 説明し始めました。 パソコンに慣れている 悟と十詩子には もう充分 その結果は わかってしまいました。 十詩子は 血…
悟が 「大丈夫?」と 聞いて来たので 「たぶん 大丈夫」と 答えました。 そこに 看護師がやってきて 「午後の診察で 先生が 結果を 話すので 午後まで 待って下さい。」 言ってきました。 朝ご飯を 食べていない十詩子は 病院の食堂で うどんを 食べました。…
悟も その日は 非番だったので 付き添いで 一緒に行きました。 その病院は 病気のデパートの 悟にとっても 初めてでした。 多くの患者には 付き添いがいて 普通の病院とは 全く違いました。 受付をすまして 検査室の前に 座っていました。 看護師が 前処理で…
クリスマスイブの翌日 つまり クリスマスの日に 十詩子は 近くの お医者さんのところに行きました。 悟は 毎月のように 行っていましたが 十詩子は 珍しいかったです。 問診と 触診をして お医者様は 精密検査を受けるように 紹介状を 書いてくれました。 そ…
十詩子は 元気の塊で みんなが病気に倒れている時でも 十詩子だけは 病気になりませんでした。 お腹の異常は 今までには なかったので 驚きました。 悟は 病気で良く休みます。 自分のことを 「病弱」と 言っていました。 それで 一年に一度 春に 人間ドック…
AIの研究が ほどほど進んだその年の クリスマス 大きな転機が やって来ます。 悟は 母親が 亡くなるまで その趣旨を 理解しないまま クリスマスイブの夜は 盛大に祝っていました。 十詩子の方も 就職してからは クリスマスイブの夜は 原則ひとりでした。 会…
十詩子には 細かな所まではわかりませんでしたが 概要は 助手の説明で わかっていました。 「私のかわりをする AIができたら 私は絶対に要らなくなるわね。 でも 助手のあなたは これを操作する必要があるから 何時までも いるんじゃない」と 助手に言ったら…
あれから 2年が経ちました。 大学3年になった 創は 就職活動していました。 リクルートスーツを着て 東京へ 会社訪問の毎日です。 十詩子は 会社に口利きをしようかと 言いましたが 創は 断りました。 十詩子たちは それが せがないと思いつつ 頼もしくも思…
翌年になって 十詩子も 60歳を迎えました。 老齢厚生年金の 比例報酬部分が 頂ける年齢になったのです。 悟は すでに 受給していました。 男性の悟は 60歳からもらえる 年金は 最後の世代になっていて 「ラッキー」と言って 受給申請をしました。 十詩子は …
やりませんか 手を挙げる この運動 この早さでは 私には出来ません。 運動神経抜群の あなたなら 大丈夫ですよね。
そんな言葉に のせられて 創は 頑張っていました。 残念ながら 高校生の時の 彼女とも別れて 頑張っていたのです。 十詩子の 会社を 見学したいと 言うので 見学をしました。 オフィスには 書類なんか まったくありません。 ペーパーレスの オフィスだったの…
創は そのことを 聞いていたのです。 デートに行ったのですが 電車が 人身事故で 止まっていて帰ってきていたのです。 大声で ふたりが笑っていたので 「何々」と言って 部屋に入ってきたのです。 十詩子が そんな重要な ポストにいたとは 知りませんでした…
重用された十詩子の お給料は 嘱託とは言え 相当な金額になっていました。 はるかに 悟を超えていました。 十詩子は それが 気に掛かっていました。 仕事は良いけど お給料が これでは また問題にならないか 心配だったのです。 何でも相談する約束には なっ…
尼崎チームの略でしたが いつの間にか 「オーソリティー 十詩子」の略に なっていました。 アメリカの 会社の 買収では 十詩子の 分析では 隠れ負債があることが あるとして 断念されると 賛成派に 相当揶揄されたのですが 3ヶ月後に その会社が倒産すると …
十詩子の会社勤めの方は ますます 責任が 増えました。 会社の合併は 十詩子の資料が 効果を発揮して 対等合併になったのです。 新会社でも 十詩子の実力は 評価されていました。 合併を機会に 尼崎工場の 事務所棟が 試験研究室をかねて 新しく ガラス張り…
創の 大学入試の日が やって来ました。 創は それなりに 頑張っていたようです。 十詩子が 大学に入るためにした 勉強と比べると 少し 「ぬるい」と 思いましたが そんな事は 言えませんでした。 現代人は そうなのかと 思っていました。 悟に話すと 「目的…
十詩子も 新しい職場を 見に来てくれました。 案内嬢とは ほど遠い 悟でしたが 悟自身は 仕事が気に入っていました。 今までは 机や パソコンに向かって 仕事でしたが 今度の仕事は 人間が相手です。 ちょっと強面の おじさんも来ますし 可愛いお姉さんも来…
退職後 悟は ビルマンでも 気楽にやろうかと 思っていました。 結婚して 養子をもらって 状況は 一変しました。 尼崎駅前の 家を売った時の お金があるし 可愛い十詩子もそばにいるし 働かずに ゆっくり家に いようかとも思いました。 でも 十詩子が まだま…
何になるか 何をしたいか 自分でもわかりませんでした。 亡くなった両親は サラリーマンで 営業職でした。 インターネットの 仕事でした。 あまり具体的な仕事は わかりませんでした。 にわかには 決まらないので 大学に行って 決めることにしました。 あま…
創は 例を出されて それしかないと 思いました。 頑張って 言うことにしました。 といっても 高校生ですので 単純に 「話してもいい?」と 言っただけなのですが それがきっかけになって 話すことが出来ました。 そのうえ 偶然ですが 席替えで 隣の席になっ…
創は 例を出されて それしかないと 思いました。 頑張って 言うことにしました。 といっても 高校生ですので 単純に 「話してもいい?」と 言っただけなのですが それがきっかけになって 話すことが出来ました。 そのうえ 偶然ですが 席替えで 隣の席になっ…
「やはり 妖精の力? クリスマスの日の出来事は 本当だろうし やはり 妖精の力は あるのだろう」と 考えいきつきました。 そこで 創に やはり 「神さまに おねがいしてはいかがですか」 と答えたのです。 あまりにも 抽象的で 漠然とした答には 創も 悟も 驚…
笑顔になったからと言って 創の問題が 解決したということではありません。 問題は 残っています。 やはり 創が 勇気を出して いうしかないのかと 思いました。 十詩子は なぜ 「目薬の方法」ができたのか 今になって考えると わかりません。 十詩子は 積極…