前に会った教室で 待ち合わせの約束を していたのです。 悟は 勉強しながら待っていました。 十詩子は 教室の中で待っている 悟を 見つけると 後ろから近づいて ちょっとだけ 悟を脅かしました。 悟は 少し驚いて 振り返って 十詩子を見つけました。 悟: 十詩子さん入学式終わったの 十詩子: 今オリエンテーションも終わったわ 悟: これからは大変だね 昼は仕事夜は勉強で 寝る時間が無くならない? 十詩子: 大丈夫 好きなことだから がんばる。 それに、、、 悟さんと同じ大学だもの 励みになります。 悟: ぼくも嬉しいです。 何かぼくに出来ることがあれば 言ってね。 でも十詩子さんは ぼくよりずーっと 賢いから 助けることなんて ちょっと無いかな 十詩子: そんなことないです。 悟さんの方が ずーっと勉強家でしょう。 悟: ぼくなんか親の七光りだから すべて 自分の力で している十詩子さんはすばらしいよ。 とふたりは 褒めあっていると 悟の友達が来て 十詩子の周りに集まってきました。 十詩子が 大学の夜学に行くことになったというと みんなは 「すごい! 悟に会いたいから 来たんだ」と言って 二人を冷やかして 外へ出て行きました。 二人はその後 教室で話して それからゆっくり歩いて 尼崎に帰りました。 十詩子は 悟が 十詩子のお部屋に来て欲しかったけど 言えなかったので 駅前で別れました。