ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ロフトで勉強しましょ 58話

夕方
悟と
尼崎駅前の
喫茶店で会いました。

いつもと同じように
気候の話や
学校の話
会社の話なんかを
長々と
しました。

しかし
十詩子の会社の様子は
あまりハッキリとは言いませんでした。

ハッキリ言うと
悟との
距離が大きくなってしまうと思ったのです。

でも不器用な
十詩子は
うまく嘘をつくことができませんでした。

悟には
そんな十詩子の話は
わかっていたのです。

翌日
悟の大学に
付いていくことを
約束して
その日は別れました。

その後
大阪のホテルに
電車で向かいました。

窓から見る
尼崎は
懐かしいけど
何だか遠い存在のように思われました。

ホテルに泊まるのは
慣れているけど
今日は
明日のことを考えると
心がウキウキしてきます。

「そう言えば
昔悟の大学に行ったのが
きっかけで
今の私になったんだ。

でもあの時
行かなかったら
まだ敬子さんと
同じように
尼崎工場で働いていて
毎日のように
悟とあっていたかも知れない」
と思いました。