その日の実験は 温度を変え 配合を変え 試作を進めました。 うまくできるものや できないものが たくさん出来ました。 3時になったので いつものように 小休止をとることになりました。 いつもは 早樹と星子剛なんですが 今日からは 明も 入っています。 でも 明には 星子や剛は見えませんので 何か ぎこちないところがありました。 明: 係長 このお仕事 楽しいですよね。 新しいことを しているという実感がわきます。 早樹: 係長は 止めて下さい。 早樹で良いです。 係長と言うほど 偉くもないし 歳もとっていないし (と言いながら少し笑ってしまいました。) 明: でも 社長から 早樹さんは係長だから 指示に従うように言われています。 早樹: 社長はそんな風に言って下さいますが 私 大学出て 入社して 3ヶ月しか経たないんですよ。 やっぱり 社長のいないときは 係長は辞めて下さい。 強いて言えば 業務命令で (また笑って) 明: そうですか じゃそうします。 でも このケーキ美味しいですよね。 売れるんじゃないですか。 (と言いながら 食べ尽くす) 早樹: でも 売れないんじゃないの だって 明さんが 全部食べてしまうもの 明: 早樹さん そうですよね。 早樹と明は 食べながら話しながら そして 笑いながら ながい 休み時間を過ごしました。 星子・剛は 全く蚊帳の外で ふたりは 心の中で これで 「しめしめ」と 思いながら 顔を見合わしました。