ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「冴子の人生は」 その20

冴子は
会社の近くに引っ越して来た
春からは
会社の作法クラブ
入っていました。

お茶やお花
お琴やお料理まで
種々ことを
習うもので
花嫁修業とでも言うものでした。

会社の
福利厚生費から
お金が出ていて
結構
いろんな事ができました。

でも
あの検査のことがあってから
居づらくなって
冴子は行かなくなりました。

ただひとり
検査の機械だけを
相手に仕事をしている
冴子は
我慢するしかなかったのです。

そんなことがわかっている
上司の中には
冴子を
可愛いそうに思うものも
いました。

今では
考えられませんが
仲人のようなことを
やっていたのです。

個人情報保護法で
そんな慣習は、
消え失せてしまいましたが、
当時では当たり前のことです。

課長が
そんなことに
積極的な
専務に言って
専務の奥様が
そのネットワークを駆使して
相手を探すというものです。

冴子の
趣味はもとより
家族や
親の仕事や地位収入まで
その情報が
奥様のもとに集まっていたのです。