ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「もうひとつの冴子の人生 パート3」その24

その日と
次の日は
あまり眠れませんでした。

会社の社長には
「病院に入院するかもしれない」と
告げました。

予約してある時間に
猛さん夫婦と会いました。

だいぶ時間が経ってから
冴子の番が来て
3人で
ぞろぞろと
診察室に入りました。

椅子に座った
冴子の後ろに
猛は立ちました。

お医者様は
言いにくそうですが
膵臓癌である可能性が高いので
すぐに入院するようにと
言いました。

冴子は
倒れそうになりました。

猛も
自分のことのように
心配してくれました。

冴子は
一度家に帰ってから
入院することにしました。

猛の車で
アパートに帰り
必要なものを
持って出ました。

猛が
筆記用具や
ラジオなんかも
持って行くように言ったので
また家に入って
持ちました。

入院して
ベッドのところまで
猛は
付いていってくれました。

猛が帰ってから
社長に
電話しました。

社長は
あまり話しませんでした。

「頑張って」と
言うのが
精一杯の様子でした。

冴子は
私のことを
みんなは
心配してくれてるんだと
実感しました。

次の日
検査がありました。

夕方
会社の
パートさんと
社長の車で
見舞いに来てくれました。

その次の日
手術でした。

手術のあと
猛が
その結果を
聞いてくれていたそうです。

お腹が
本当にいたかったです。

それなのに
次の日から
トイレに歩いて
行くように言われてしまいました。

そんなつらい入院の日々も
1週間経つと
だいぶ楽になりました。

何もすることのない
入院生活で
一番楽しいのは
誰かが
見舞いに来てくれることです。

冴子には
たくさんの
見舞客が来てくれるので
隣の人に
遠慮するくらいです。

看護師さんにも
「お友達
多いんですね」と
言われてしまいました。