勝に そのことを言うと 大歓迎で 承諾しました。 勝は 念願の 郁恵と 一緒に暮らせるとは 世間のみんなには悪いですが 地震様様と思いました。 そんなことは言えませんので 顔は 少し引きつってしまいました。 郁恵は いつもと違う勝に ちょっと変と思いましたが 郁恵も 心の中では 大喜びです。 郁恵の会社は 地震とは全く関係なく その翌日から 出社になりました。 勝は 運転手の仕事が もうなくなってしまいました。 65才になったので 仕事は しないと決めていました。 地震の前には 悠々自適で 暮らそうと思っていましたが 地震になったので 事情は 違いました。 宗教団体の仲間も 今は 被災者の援護に 全力を尽くしているので 勝も その日一日 被災者の ボランティアをしていました。 一日飛び回って 家に帰って来ました。 食べ物や 燃料も買ってきました。 郁恵が 先に帰っていて 「井戸水が綺麗になったから 使えるよ」と 話してくれました。 生活が 少しずつ 普通になっていきました。