登は 翌日 全員の営業会議の最後に 肺がんについての 話をしました。 全員が 新任の 外科部長が 適任だと いいました。 実績もあるし 手術も うまいというのが 評判でした。 登は 「美奈子さんは そんなに上手なんだ」と 思いました。 それを聞いて 翌日 相談を受けた人の家に 行きました。 お医者さんのことを 話しました。 相談していると 庭の向こうに 夏子が 手を振っていました。 登も 手を振りました。 可愛い夏子の話しになって 夏子の 母親についての 話しにもなりました。 「先の津波で ご主人が亡くなられて そこのスーパーで 母親が働いています。 笑顔が とても とても ステキな 母親なんだ」という話を 登は聞きました。 「えっ そうなんですか。」と 驚いた様子で 登が答えたので 家主さんは 不審な顔をしていました。 そんなこともあって その医者を 登が知っているので 紹介するという話になりました。 家に帰ってから 薫子さんは 未亡人なんだと あらためて 喜んでしまいました。 人の不幸を 喜んでいるので 不謹慎だとは 頭の中では わかっていても そう思ってしまうのです。