ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「笑顔のアイコンタクトに魅せられて」その179

もちろん薫子も
歌い始めました。

お部屋が
歌でいっぱいになるくらい
歌いました。

涙が
出てきました。

薫子も
美奈子さんも
聡さんも
陽一君の父親も母親も
家主さん夫婦も
登も
涙を流しました。

夏子ちゃんは
それを見ていて
最初は
不思議そうでしたが
共感するところがあったのか
涙目になりました。

歌詞の終わりの
『最後に愛は勝つ』に至ると
もう
はっきりと
歌うものは
いませんでした。

薫子は
涙のために
弾くことが出来ません。

嘆き悲しむような
絶唱で絶唱でしょうか
歌い終わりました。

美奈子さんが
後奏を
終えた時には
まわりのみんなは
何も出来ずに
放心状態でした。

数分は無言の世界でした。

子供の夏子ちゃんでさえ
静かに
じっとしていました。

数分 十数分が過ぎて
薫子が
立ち上がって
「ありがとうございます。

きっと
陽一君に
伝わったと思います。

これからは
陽一さんを
胸の中にしまって
夏子とともに
生きていきたいと思います。

皆さんもよろしくお願いします。」と
言って
大きくお辞儀をしました。

それを聞いて
拍手しました。