あずさは 早く帰って ロフトを片付けていたのです。 そのために会えなかったとは とても皮肉なことでしたが ふたりはその時わかりませんでした。 次郎は 二日目も 同じように行ったのですが その時も同じ理由で 会えませんでした。 待ってるときに 次郎は先輩から電話を受けます。 先輩: 「次郎どうだ。 あずささんだったか 会えたか? 連絡がないことを考えると 会えてはいないんだろう。 そうだ明日は 一カ所だけで良いから 昼からは休みだ。 それからあさっては 休暇届を 私の方から出しておくから 明日明後日に賭けてみろよ。」 次郎: 「先輩ありがとう。 そこまで手配してくれて 本当にありがとうございました。」 先輩: 「オー神妙だな。 がんばるんだよ。」 次郎: 「ちょっと相談があるんですが」 先輩: 「何だ まだ何かあるのか。」 次郎: 「茶髪のことなんですが やっぱり茶髪やばいですかね。 あずさには 黒髪の方が 良いですかね。」 先輩: 「そんなことないんじゃない。 茶髪のお前が好きだと言ったんだろう。 自信がないやつだな。 もっと自信を持てよ。」 次郎: 「そうですかね」 先輩: 「そうだよ 言っておくが あずさが お前のことを嫌いだったら 直ぐに身を引けよ ストーカーにならないようにね。」 次郎: 「大丈夫ですよ 先輩、 ところで あずさを取らないで下さいよ」 先輩: 「はいはい」 こんな連絡を受けて なんだか 明日会えるような気がしたのです。 一方あずさは 早く帰って 買ってきた ポスターや スタンドタイプの照明や 玄関マットなんかを 並べました。 あずさも なんだか 明日 次郎に会えるような気がしたのです。 それは何の根拠もなかったのですが、 明日は あずさの誕生日だったからです。 でもあずさの誕生日が 明日だとは 次郎と話していなかったのですが 何となく 誕生日の明日会えるような気がしたのです。 再会の前夜は ふたりは同時に 胸がときめいていたのです。