ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

東男と京女の恋 3話

武は
まず手始めに
「どちらへ行くんですか?
僕東京に帰るんです。」
といきなり聞いたのです。

聞かれた
由美は
心の中で
「やっぱりそうだわ」
と思いましたが
あまり素っ気なくしても
いけないので
「東京へ」と
小声で答えました。

こうなったら
武の思うつぼです。

武:
同じですね
東京までご一緒しましょうね。

由美:
.....

由美がその問いに
会釈のみで
答えないので
武は
いつも持っている
小道具を使います。
彼は
ポケット中から
飴を取り出します。
この手法は
大阪に出張したとき
取引先の
営業マンから
教わったものです。

大阪の人は
常に
飴を持っていて
それを
みんなに配ることで
お近づきになるという手法を
教わったのです。

武は
「飴食べます?
これ美味しいんですよ。
おひとつ如何ですか?」
と屈せず勧めたのです。

由美は
仕方ないので
「ありがとう」と言って
受け取ってしまいました。

もうこうなると
武の独断場です。

武は
「この飴美味しいですよ。
そうだ
これ大阪で買ったんですが
大阪のおばちゃんは
鞄の中に
飴を入れていて
『飴ちゃん』と呼んで
皆さんに配るそうですよ。

僕も
大阪で
電車を待っているときに
もらってしまったことがあります。
あなたはどうですか」

由美は
うまく話す武に引き込まれて
「そうですよね。
私も
もらったことあります。
あれって良い方法ですよね。」
と答えてしまいました。