ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ロフトで勉強しましょ 45話

本社の電算機室は
地下にあって
窓もない部屋でした。
電算機自体は
ガラスの向こうにあって
かなり大きなものでした。

電算機室長は
十詩子を呼んで
「転任ご苦労様です。
君のような優秀で
若い紅一点の人材が
我が部屋に入って
頼もしく思います。

君には
入力と
検算をお願いしたい
詳しくは
係長に聞いて下さい。
新しいことなので
我々自体もわからないことなので
みんなで
知恵を絞って進んでいきましょう」と
訓示しました。

十詩子の仕事は
今実体と名前が乖離してしまっていますが
キーパンチャーです。
当時は
カードに実際に穴を開けて
その開けたカードを
機械の入力装置で
読み込ます。

そんな仕事を
十詩子はするのですが
それ以外に
十詩子の特技である
そろばんを使っての
検算です。

電算機で行った計算を
そろばんで検算するなど
今では考えられないことですが
間違いなく計算できているかどうか
信頼性が無かった
当時の電算機には
必要不可欠だったのです。

こんな仕事を
月中頃まで
しました。
工場と同じように
4時に退社できました。
それで大学に着く時間は
少しだけ早くなりました。

悟と
ちょっとでも長く話が出来たことが
十詩子は
本社勤めが
嬉しかったのです。

こんな日課が
過ぎて
一年が経つと
悟は3年十詩子は2年になりました。

悟は
実験で
夜遅くまで
大学にいることがあったので
十詩子は
一緒に帰ることが出来て
幸せでした。

そんな幸せと裏腹に
十詩子には
いろんな課題が与えられてきました。
今までの
キーパンチャーの仕事と
検算の仕事をするために
部下が十詩子に付いたのです。
十詩子は
二十歳の若さで
部下を持つ
中間管理職になってしまったのです。

十詩子は
その責任ある地位に
困惑してしまいました。

十詩子の
管理職への道が
始まるのです。