莉子:
ところでこの食材
どうしたの
冷蔵庫には
なかったでしょう
妖精:
そりゃ
スーパーで買ってきたの
レシートはこれよ
後でまとめて請求するから
莉子:
あっ
おいしいと思ったら
高いんじゃないの
エンゲル係数
高くなりそう。
妖精:
私が食材は半分出すから
大丈夫よ
経理のほうに
許可を取ってありますので
莉子:
妖精の世界も
経理とかあるの
妖精:
そりゃありますよ
締め切りまでに
領収書を出しておかないと
怒られるんですよ
莉子:
それって
訓告とか戒告とか
妖精:
そんなところまでは
いきませんよ。
そんなことで
戒告をとられたら
妖精も大変です。
莉子:
そうなの
私会社では
領収書を出してもらうほうだけど
出すのは大変みたいね
そんな取り留めのない話に
終始して
寝るので
ロフトに莉子は上りました。
莉子:
わーロフトが
片付いているじゃないの
今までのものは
どうしたの
私の本とか
ぬいぐるみとか
妖精:
それは
本は下の棚に
ぬいぐるみは
押入れの中よ
要るときはそこからとってきてね。
ぬいぐるみは
いらないんじゃないの
莉子:
えー
あのぬいぐるみの熊には
思い入れがあるの
あれはね
子供の時に
近所の
お姉さんから頂いたの
あれがあると
幸運がやってくると
言ってもらったのよ。
妖精:
だから私が来たじゃないの
私は
幸運をもたらす妖精よ
莉子:
えっ
そうなの
妖精:
だからぬいぐるみは
もういらないと思うよ
それから明日は
妖精の研修会で
朝から出かけるから
朝食は作っておくね
ちゃんと食べて出かけるのよ
莉子:
星子さんは
まるでお母さんみたいね
ふたりは談笑しながら
眠りにつきました。