ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ロフトの奇跡 その23

莉子と陽一が
ベンチで話していたころ
妖精は
病室に
莉子がいないので
探していました。

妖精は
確か莉子が散髪屋にいくと言っていたのを
思い出して
散髪屋に行く途中
莉子が
ベンチに座って
男性と話しているのを
目撃しました。

妖精は
「あ
莉子
あ
莉子が男性と話している
あれって出会い?
こんな病院で出会うなんて
ところであの男性は誰なの
ちょっと調べてみましょう」
と考えるなり
杖を一振りしました。

紙がぱっと現れて
妖精の手に収まりました。
「名前は
陽一
未婚
どこかで聞いたことのある名前だけど
あそうか
巡り合わせ助成機構で調べた男性と
同じだわ
こんな偶然あるのかしら
それとも
誰か他の妖精が仕向けたのかしら、
もし偶然としたら
これは奇跡よ
でもこの出会いの前に
莉子の病気が治る奇跡が
起きてほしいものだわ

人間の寿命は神様がお決めになったことだから
妖精にはどうすることもできないわ
神様にお願いしてみましょうか。
でもそんなこと
お聞きくださるような
神様ではないような気がするわ。

神様の口癖は
「万事 法のなすところ」
だものね
一度決めた法則にのっとって
するしかないのよね。

莉子さん死なないで
と願うばかりね

ところで
莉子と陽一は
仲がよさそうね
さすが
「巡り合わせ助成機構」が
マッチングした相手だけあるわ」
と独り言をいいながら
ふたりを見守りました。