ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ロフトダイエット 全話

この話はブログに連載した小話です。
前後に重複するところがありますが
ご了承下さい。


ロフトダイエット その1

この小説には
根拠のない体重調節の記述がありますが、
単なるフィクションですの
それを真に受けないでください。



桜も散った
ある晴れた日曜日の昼下がり
蛍子(けいこ)は
窓から外を
ぼやっと見ていました。

今の蛍子の気持ちを
一言で言えば
「退屈」以外の
何ものでもありませんでした。

月曜から土曜日まで
働いて
日曜日は何もする気になれなかったのです。

蛍子にとっては
退屈は
日曜日の
代名詞みたいなもので
特に珍しくもなく
単にぼやっと
外を見る日と
決めていました。

少し眠気が出たので
コーヒーでも
入れようかと
思いました。

趣味と言うものが殆どない
蛍子は
コーヒーでも
趣味にしてみようかと
コーヒー豆とか
コーヒーミル
それに
コーヒーサイホンなんかを
買い入れていたのです。

まずコーヒー豆を
コーヒーミルの中に入れて
ハンドルを回して
潰しました。

あたり一面
コーヒーの香りで
一杯になりました。

新しい袋を開けたこともあって
その香りは
遠くまで届くほどだったのです。

そのあと
サイホンでゆっくりを
コーヒーを作りはじめました。

すべて
コーヒーの香りで
その上
窓を開けていたので
その香りは
外まで広まっていました。


ロフトダイエット その2

蛍子が入れたコーヒーの香りは
蛍子の部屋を出て
隣の部屋にも入りました。

隣の部屋の住人は
益雄(ますお)と言います。
益雄は、
田舎から仕事のために出てきていて
そのアパートに住んで
5年は経つ
そのアパートでは
長く住んでいるもののひとりでした。

益雄の仕事は
外回りの営業で
人懐っこく
誰とでも仲良くなる社交的な
性格と
回りのみんなは思っていました。

しかし益雄は
本当は内気な
人と関わるより
読書や趣味の模型鉄道のほうが好きでした。

そんな益雄は
蛍子が入れたコーヒーの香りが
部屋に侵入してきた時には
模型の電車を
飽きずに繁々と見ていました。

益雄は
昼ごはんを食べて
大分経っていましたので
コーヒーの香りで
何か食べたい気分になりました。

お部屋を探しましたが
残していたはずの
カステラは
すでになくなっていました。

ないとなると
無性に食べたくなって
買いに行くことにしまいした。

そのころ蛍子も
コーヒーが入れられたので
冷蔵庫を開けて
三時のおやつを探していました。

しかし蛍子の冷蔵庫は
そのようなものが見当たりません。

「今日の午前中に食べたのが
最後だったか。
昨日帰るときに
買っておけばよかった。
じゃコンビニでも行きましょう。」
と言う結論になりました。

身支度をして出かけました。

蛍子はドアを開けて
近くのコンビニ見向かいました。

蛍子がドアを閉めて
少し行った時
益雄はドアを開けました。

蛍子の後を追うように
益雄もコンビニに向かいました。

益雄は前を歩く
女性が
隣の住人だと
直ぐにわかりましたが
特に
他には何も思いませんでした。

ロフトダイエット その3

蛍子も益雄も
コンビニでどんな
お菓子を買おうか
考えながら
歩いていました。

そんなことを考える時間は
とても楽しい時間でした。

蛍子がまずコンビニの扉を開けました。

益雄は「お隣さんもコンビニに行くの」
と考えつつ
後に続くように
コンビニに入りました。

蛍子は勝手知ったる
コンビニの中
意中の売り場へ直行しました。

益雄も
同じように
冷蔵ストッカーへ向かいました。

奥にある冷蔵ストッカーまで
益雄は左から
蛍子は右側から
向かっていました。

益雄と蛍子は
棚をひとつひとつみながら
どれにしようかと考えならが
段々と近づいてきて
ほぼ真ん中で
出会うことになります。

普通なら
ここで劇的な出会いになるのでしょうが
益雄と蛍子は
隣同士と言うことで
軽く会釈して
すれ違い
お互いに通り過ぎたところにあった
スイーツを買って
帰ります。

今度は益雄のほうが
先頭を歩き
蛍子が後を追うような形で
部屋に着きました。

ふたりは
何事もなかったように
別々のお部屋の中に消えます。

蛍子は
少し冷えた
コーヒーを
暖めなおして
ミルクと砂糖を
テーブルに並べました。

「暖めなおしたコーヒーは
もうひとつかな」と考えつつ
「やっぱり甘いものは
美味しいよね
砂糖は多い目
ミルクも多い目
そしてコーヒーも多い目が
美味しいわ

もちろんお菓子も多い目」と
蛍子にとっては
当たり前のことを
いつものような
言って
退屈を紛らわしていました。

一方隣の
益雄は
インスタントのコーヒーと
コンビニで買った
小さい目の
スイーツ
それと今益雄が
お気に入りの
鉄道模型を
テーブルに並べました。

「コーヒーの苦味と
スイーツはいいよね。

それに何といったって
この列車が
たまらない。
この列車のよさを
みんなに知ってもらいたいものだ。

そうだそうだ
インターネットの
ツイッターで
つぶやいてみよう」
と考えて
パソコンを開けました。

あらかじめ作っていた
ID(○○○:実際にあると問題なので
伏字にしておきます)で
ログインして
つぶやいてみました。

「ロフトのあるお部屋で
鉄道模型を走らしています。
時間の経つのも忘れて
退屈とは縁遠いです。」
と書き込んでみました。

ロフトダイエット その4

そのころ蛍子は
スイーツも
コーヒーもなくなり
ただただ退屈な時間になってしまいました。

「退屈しのぎに
インターネットでもしましょう。
そうだ友達が
ツイッターは
面白いと言っていたは
一度見てみましょう。

この画面ね
どうするのかな
そうだ検索してみましょう
何にしようかな。
「ロフト、退屈」とでもしてみましょう。」
とツイッターの検索窓に
文字を入れて
エンターを押さえました。

パソコンの画面は
直ぐに
検索されました。

偶然ですが
絞込みが
十分だったためか
益雄の○○○のツイートが
検索されました。

蛍子は
「ロフトで
鉄道模型

退屈知らず

いいよね
退屈な私と大違いだわ
私の部屋にもロフトがあるけど
寝るだけだもの

でも私が
鉄道模型とはいかないよね。

ツイッターって
フォローするのよね

一度聞いてみましょうか。
私の退屈を治すものって何かないかしら。

まずログインしなければならないの
ログインするためには
IDを取らないと
新しいIDって何がいいかな

ロフトに住んでいるから
loftでもしましょうか
無理よね
こんなものは
若い子ぶって
teenをつけて見ましょう。

そうだ
lofteenがいいよね
10代はもう過ぎてしまったけど
経験したからいいわよね。

そうなら
こんな風に入れて
メールを待つのよね

メールが着たら
これをこんな風にして
押して
プロフィールを書いて
それから、、、

、、、、

出来た!

じゃフォローしてみましょう。

『○○○さん
退屈じゃないって
うらやましい
私の部屋にも
ロフトがありますが
私にも
いい趣味ありませんか。
ちなみに鉄道模型は知りません』
と書き込んで
、、、、、

これでいいわ。

直ぐにが答えが来ないわよね
向こうは退屈じゃないって言うんだから
忙しいんだし
私みたいに
ずーとパソコンとにらめっこは出来ないわよね。」
と思いつつパソコンを
ずーと
見るともなし
見ないともなし
退屈に過ごしていました。

ロフトダイエット その5

益雄は
鉄道模型を飽きることなしに見てはいましたが
何気にパソコンの
ツイッターの画面を
更新していました。

時々
益雄は
書き込みはしますが
益雄の○○○を
フォローしてくれる人は
誰もいませんでした。

有名人でないと
こんなものよね
と思いつつも
少しだけ期待して
クリックしたのです。

「わー
初めてのフォローだ
どれどれ
『私は退屈、、、
いい趣味はない?』

おー
私に趣味を尋ねられても困るよね
趣味は好きだからするんだろう
あなたの好きなことまではわからない

ハンドルネームは
lofteenって
これはloftとteenを引っ付けているんだ
loftは斜めでしょう
teenは10だから
斜めが10っこ
わからないよね。

でも
初めてのフォローだし
答えてみることにしよう

さて、、、、
、、、、、、

ん、、、、、、
、、、
『lofteenさん
あなたの好きなことは私にはわかりませんが
鉄道模型って
本当に面白いから
鉄道模型を見ながら
コーヒーを飲むのも最高だよ』
これでいいかな
こんなものでいいよね

じゃこれでいいか」と
模型を見ながら
投稿しました。

蛍子は
益雄が
考えてる間中
更新を繰り返していました。

蛍子は
初めてなので
誰か他の人が
直ぐにフォローしてくれると思っていたのです。

更新の連続で
手がだるく目が疲れてしまった
蛍子でしたが
他にすることがないので
夕ご飯までは
これでもしようと思っていたのです。

そんな更新をしていると
フォローのところが
1になりました。

蛍子はすばやくどんなフォローか
見てみました。

「なになに
鉄道模型は面白いって
コーヒーと
鉄道模型が良いって

そりゃ
鉄道模型が趣味の人に尋ねれば
そう答えるよね
私としたことが
、、、、、

でも本当に鉄道模型って
面白いの?
おもちゃじゃないの
大の大人が
遊ぶものかしら

そうだ
私
10代と言うことになっていたんだ
だから
子供のおもちゃでいいんだ

じゃ答えてみましょう
えー、
、、、、、、

『鉄道模型って
どうするの
私わからないよー
詳しく教えて欲しいなー』
えへ、、
可愛いっ子ぶってしまったわ
これでどうだー」

と蛍子は
面白がって
クリックしました。

_____________
lofteenは著者のIDです。
一度覗いてみてください。
_____________


ロフトダイエット その6

益雄は
パソコンにほとんど興味はなく
鉄道模型の情報を知るためだけに
使っていたのですが
初めてのフォローで
気をよくして
またもや
更新してしまいました。

「えー
またフォローされてる
同じ人だ
鉄道模型教えて欲しいって
そんなこと
140字じゃ教えられないよー
、、

『鉄道模型は
一口で説明できないから
ツイッターでは無理
こちらのサイトに
詳しく書かれているし
雑誌もあるから
見てください。
それから鉄道模型は
場所とお金がかかるからね。』

よしこれでいこう」
と送りました。

蛍子:
お金がかかるの
場所がいるの
どれくらいなの
勤め始めたばかりだから
お給料高くないし
(少しうそをついてしまった)

益雄:
お金は
ピンきりだから
いろんなものがある
場所は1畳くらいから
広いのは幾らでも


蛍子:
広さは充分です
ロフトがありますから
でもお金がないわ

益雄:
ロフトがあるの?
僕の部屋にもあるんだ
ロフトでいつも走らしているんだ
アパートだから
本当は汽笛を鳴らしたいんだが
それは出来ないけど
走るのには充分だよ

蛍子:
同じね
明日雑誌を買ってきて
読んでみます。

益雄:
何でも聞いてよ
わかっていることなら答えるから


蛍子:
お願いします。
なんか面白くなってきたわ
鉄道模型って
本当に楽しいような気がしてきたわ
(面白いって言ったのは
蛍子の外交辞令です。
本当は良くわからなかったんですが
相手が
あまり言うもんだから
合わせて言っただけでした。)



益雄;
そうでしょう
絶対失望させないから
僕なんか
仕事から帰ってきて
この模型を見るだけで
仕事のストレスが
なくなるもの

蛍子:
お仕事大変なんですか。
ストレス多いんですか。

益雄:
そういえばそうかもしれません。
私人と話すのが好きじゃないんです。
でも営業だから
話さないと仕事にならないし

蛍子:
ごめんなさい
話すことが好きでない人と
こんな模型のことを
話して

益雄:
いえ
全然かまいませんよ
鉄道模型は好きだし
仕事じゃないから
気を使うこともないし

蛍子:
本当に鉄道模型が好きなんですね。
私もはまってしまったら
どうしましょう

益雄:
lofteenさん
じゃ一緒にはまったらいいんじゃありませんか
僕の仲間紹介しますから
みんな好きですよ
僕が一番と思って言いますが、、、

そんな時
益雄の携帯が鳴りました。
得意様の納品のことで
大事な用があるということです。
日曜日なのに
益雄は
夕方から
出掛けなければならない羽目になってい仕舞いました。


益雄:
lofteenさん
私急に仕事です。
またの機会を

突然
相手の音信が切れて
蛍子は
がっかりしました。

退屈しのぎに
やっていたのに
「私嫌われたかしら
日曜日なのに
仕事はないよね

可愛いっ子ぶって
ばれたかしら」と思いながら
また退屈モードになりかけていましたが
インターネットで
鉄道模型を検索して
見て時間を潰しました。

蛍子にとっての
そんなこんなでこんな一日は
終わりました。
明日からは仕事です。

ロフトダイエット その7

月曜日からの仕事は
いつものように
何もないものです。

問題が出るわけでもなく
スムーズにいくわけでもない
そんな仕事で
一日を費やし
家に帰ってきました。

蛍子の仕事は
残業がないので
定刻にに帰ってきて
夕飯の支度をして
それからいただき
後片付けをして
洗濯機を回し
少し掃除をして
ゆっくりお風呂に入って
出てきても
まだ8時半です。

そこから
退屈な時間が
また始まるのですが
今日は買ってきた
雑誌を見る時間がありました。

鉄道模型の雑誌です。
新しい模型はこんなのが出たとか
列車のここは
こんな風になっているとか
この列車とこの列車は
ここが違うとか
マニアックそのもので
蛍子は
特に興味をそそるものではありませんでした。


「何が面白いのかしら」と考えつつ
ツイッターを見ることにしました。

ログインして
見てみました。

何もありませんでした。

「やっぱりそうよね」
とひとりで
納得して
パソコンを切ってい仕舞いました。

隣の
益雄は
日曜日夕方から出勤して
得意先を回って
家に帰ったのは
11時を超えていました。
翌日は
外回りの連続です。

謝ったり
お世辞を言ったり
難しいデータを
調べたり
気を使うことばかりで
その日も残業で
同じく家に帰るのは
11時になってしまいました。

食事は済ましてきていましたので
お風呂に入って
ロフトへ上がり
鉄道模型を
動かしたりしました。

隣の蛍子は
夜の12時ごろになると
何やら
シャーというかすかな音が
しているのがわかりました。

その時はわからないのですが
これは益雄が鉄道模型を動かす時の音だったんです。

ロフトダイエット その8

益雄がシャーと言う
小さな音を立てて
模型を動かしていた時間には
蛍子は退屈が過ぎたのか
寝てしまっていました。

益雄は
鉄道模型を見ていると目が冴えてきて
疲れているにもかかわらず
眠れません。

それで
ツイッターでもしてみるかと思いました。
昨日の続きとまでは考えませんでしたが
期待をして
見てみましたが
新たなフォローもなく
lofteenのツイートもなく
少しがっかりしましたが
インターネットの世界なら
こんなものと考えて
独り言ならぬ
「つぶやき」をして
寝てしまいました。

『昨日は休日出勤の上残業
今日も残業
さすがに疲れました。
でも大好きな鉄道模型を見ていると
疲れが休まります。
御一緒に鉄道模型を
してみませんか?』


その益雄の「つぶやき」を
蛍子が見たのは
翌日の退屈な晩でした。

「ほー
休日出勤だったんだ。
忙しそうよね。
私のように退屈なのもどうかと思うけど
忙しいのも
困りものよね。」と
何か安心したように
つぶやいてしまいました。

そのまま
フォローするのも
どうかと思うので

蛍子:
お仕事ご苦労様
雑誌買ってきて
読んでみました。
あまりよくわからないけど
面白そうだと思います。

また教えてくださいね。
えへ、、、

(心とは正反対のことを
と書き込むと
直ぐに)

益雄:
lofteenさん
そうでしょう
そうでしょう
鉄道模型は
面白いんだから
どんなに仕事がつらくても
これさえあれば
乗り越えられるかも

蛍子:
わたしー
がんばってー
みたいとー
思います。
明日模型屋さんに行ってみます。

益雄:
それはいい
最初は
自分が最も気に入ったものを買うんだよ
いつまでも思い出に残るから
僕なんか
小学校2年の時に買ってもらったものを
まだ走らしているもの
楽しいから
その時の思い出が走って行くようです。

(「好きなものを買え」って
そりゃ当たり前な
助言
「あんたは嫌いなものも今は
買っているのか」と
思わず突っ込んでしまいそうになりながら)

蛍子:
そうですよね
好きなものがいいですよね
私の思い出になるものを
選んでみます。
ご忠告ありがとうございます。

益雄:
残念だ
lofteenさんが
買いに行くところについていけなくて
近くだったらいいのに

蛍子:
私も残念ですわ
きっと遠いんでしょうね。

(外交辞令のつもりで
言ったものです。
「本当に買いに行くわけないだろう」
とおもいました。

そんな話も明日の
仕事のことを考えて

益雄:
明日の仕事速いから
今日はもう寝ます
お休みなさい。
明日買ったものを教えてください。


蛍子:
ハイ、わかりました。
おやすみなさい。

ロフトダイエット その9

翌日
蛍子は会社帰り
悩みました。

鉄道模型のことです。
買ったことにして
書いてみるか
それとも
もうスルーしてしまうか。
さもなくば
鉄道模型を実際買ってみるか。

三者択一です。
「買うべきか
買わざるべきか
それが問題だ」
等と
考えつつ
足は模型店に行っていました。

いつもの会社帰りの道から
少しはなれたところに
あることが前からわかっていたのです。

店に入ると
いかさも「おたく」的な
人々がショーケースを見入っています。

蛍子は
鉄道模型より
人間のほうを観察してしまいました。

「きっと
ツイッターの相手も
こんな風な人たちよね。
会社で見かける
ビジネスマンと言うような人は少ないよね。
私のタイプではないわ。

あ違った、
別に彼氏を探しに来たのではないわ。
鉄道模型を探しに着たんだから、、、

どれがいいかな
どれも同じように見えるけど
わっ
値段高そー
こんな出費しなければならないの
何のためかしら
わからなくなったわ
一番安いのにしましょう

どれがいいかな
あっ
これいいじゃない
1500円じゃないの
大きいし
走るのかしら、、
でも走っても
レールがないんだから無理よね

一応これにしておきましょう。

すみませんこれ下さい。」
と蛍子は言って
安くて見栄えの良いものを買った
つもりでした。


家に帰って
いつもの行事を済ませて
ロフトに上がり
パソコンを起動しました。

そしてログインしてみました。

「こんな出費をしたんだから
居なかったら
怒ってやる。

、、
、、、、、、
、、、
『わたしー
鉄道模型の
○○△○□◇を買ったの
なかなかいいみたい
はまりそうだわ。
この車輪がいいのよね』
、、
どこが良いのかわからないから
一応車輪ということにしておきました。
車輪のどこと聞かれたら
一応答えも考えていました。


、、、、、
、、、、、、、、
、、、、、、
まだなの
帰ってないのかしら
これじゃいつもの退屈じゃないの
、、、、
、、
、、、、、
あっ
もう11時だわ
今日は無理みたい
もう寝よう。

『今日は
模型屋さんに行って
少し疲れたので
寝ます。
お休みなさい。』

これでどうだー」
と言って
ロフトの電気を消して
蛍子は寝てしまいました。

電気が消えたころ
隣の益雄は
帰ってきました。

お風呂に入ってそれから
鉄道模型を見るために
ロフトに上がってきました。

鉄道模型を見る前に
パソコンをつけました。
益雄としては
鉄道模型より
パソコンに触るのは
初めてのことです。

それも急いでつけたという感じです
「おー
lofteenさんは
買ってきているぞ
えっ
初めて買うのに
そんなマニアックなものを買ったの
初めて買うものとしては
奥が深いぞ
「車輪が良い」って
えっ
あの良さがわかるんだ
相当な
人物かもしれないぞ。
ひょっとして
前からやっていたんじゃないのか。

寝てしまったのか。
もっと早く帰れたらいいのに
会社のパソコンでやったら
やばいよね。

仕方がないな
書き込んでおこう
『lofteenさん
残業で遅くなってしまって
ごめんなさい。

それにしても
lofteenさんを見直しました。
そんなマニアックなものを買って
そのよさがわかるんだから

もうlofteenさんは
鉄道模型マニアとして十分だよ
明日は早く帰れるかもしれないから
楽しみにしています。』
これでいいぞ

仲間にも
言ってみよう。

メールしておこう
明日は
みんなで
話してみよう」
と考えながら
鉄道模型を
動かしてみました。

蛍子の部屋にも
かすかに
益雄の部屋から
模型が走る音が
聞こえてきましたが
蛍子は寝ていて
わかりませんでした。

ロフトダイエット その10

翌日蛍子は
少し早起きして
パソコンをつけてみました。
ちょっと期待していたのです。

「おー
おーお

なかなかやるじゃないの
私の買ったあれって
そんなにいいものなの

一番安かったのに

わからない世界よね
わたし
『不思議の国のアリス』
になった気分だわ

そんないいものではないか。」
とひとりで考えて
自分で突っ込んでいました。

その日は
会社は
なんとなく
退屈ではなくて
楽しい気持ちでした。

「これは何で?」と
自分でもわからず
定時に帰って
コンビニでお菓子を
たらふく買って帰り
お決まりの家の行事を済ませて
ロフトにお菓子を持って上がりました。

「兵糧は持ったし
、、、
兵糧って
私はおっさんか
、、、
じゃパソコンつけてみましょう

えっ
え
フォローの数が
25もある
何なのこれ

えー
『君はもう鉄道模型おたくだ』
『僕達の仲間に入ってくれてありがとう』
『今度の日曜日会合があります』
『君の初めて買ったものは
私が最後に買いたいと思っていたもの
それを最初に買うとは
君は生まれながらに玄人か』
、、、、、、、、
、、、
こんなのばかりじゃないの
私そんなつもりないのに
『おたく』になっていしまって
、、、、
これってどうすればいいのよ
こんなことになるとはわからなかったわ
、、、、
、、
いちおう
『皆様のお仲間になれて
たいへん嬉しいわ
えへ、、
何もわからないから
また教えてくださいね。』
これでいいか
よし

でも問題よね
いきなり有名人だもの
どうすればいいのよ

日曜日にお誘いもあるみたいだけど
『荒手のナンパ』?
こんなの行ったら危険よね

退屈しのぎにはいいけど
どうなんだろうな

もともとのあの人○○○は
どうなの
、、、、
、、、、、、、
何も書いていないんじゃないの

まだ帰ってきていないのかしら
早く帰るって書いてあったのに

あっ
また別の人から来ているわ

『教えてあげる』って
えー
あの買った模型の
詳しい説明を
何度にも分けて
ツイートしないで、、、

、、、

返事は書いておかないと
いけないわよね
私は
従順な
少女と言うことになっているのだから
、、、
『詳しい説明ありがとうございます。
勉強になりました。
また教えてください。』
これでいいかな
エイー

あっ
また着ている
前の説明の
訂正がきてるー

そんな訂正なんかいいよ
どうせわからないんだから、、、
そんなに詳しく説明されても

忙しいわ
これって
炎上と言うのかしら
違うよね。
賞賛なんだから
違うよね。」
蛍子は息つく暇もなく
忙しくパソコンに向かっていました。

ロフトダイエット その12

その日は退屈とは
縁遠く
時間を過ごしました。

買った兵糧も
ほとんど手をつけませんでした。

もう十分にしたので
『わたしー
もう寝る時間だから
早く寝ないと
ママにー
怒られるシー

皆様お休みなさい』
と書いて
やっと終わりにしました。

やれやれと思いながら
ログアウトして
ぼんやりとパソコンを眺めていると

○○○の人が
ツイートしていました。
『lofteenさん
仲間に伝えておいたら
みんな君の事を
褒めていたよ。

もう寝たみたいだから
明日またね
いや明日は
ちょっと無理かな
土曜日でないと無理かも
お休みなさい』

「今頃帰って来るんだから
遅いよね
でも寝たことになっているのに
土曜日なの

そうなんだ。
土曜日まで
待ち遠しいな。」
と考えつつ
隣のかすかな
ジーと言う音が
なんだかわからず
寝てしまいました。

あまりに有名になってしまった
蛍子は
満足感だけが残りました。

「『ママにー
叱られるから
早く寝よう』
なんて
どこからそんな言葉が出てくるのか
不思議な感じもしました。

そんな言葉を書くと
なんだか
お母さんが恋しくなってしまいました。

それまでは
お母さんには
正月に会ったけど
別にホームシックになることもなく
過ごしていたのです。

家に電話を掛けられる時間でもないので
布団に入って
寝てしまいました。

次の日の帰り
模型屋さんに
寄り道しました。

何か当てがあるわけでもありませんでしたが、
ネットで有名になった
蛍子も
何か知識を高めておかないと
いけないかな
と考えてのことです。

蛍子は
ぼんやりの店の中を見回しながら
店を回っていました。
いつものように
商品を見ると言うより
人を見ていたのですが
何気に見ていると
部屋の隣の人
(益雄ですが
当時は蛍子は
隣の人とは知っていましたが
名前までは知りませんでした。)が
熱心に模型を見ているのです。

益雄は
商談が
相手の都合で
いきなりキャンセルになって
もう何ヶ月ぶりの
定刻の終業だったのです。

「あっ
隣の人ね

鉄道模型ファンだったんだ。
えー
熱心みたいだわ
そんなに好きなんだ。

きっと昨日私に
フォローしてきた人のひとりに違いないわ。
でも名前がわからないから
誰かわからないけど。

声を掛けるのもなんだし、、、

でもちょっとイケメンね。
私のタイプだわ

あんな人が退屈しのぎに
話しかけてきてくれていたら
いいのにね

でもそんな人じゃないでしょうね。

だって
この店の大方の人は
中年のおじ様ばかりじゃないの、、、

私のタイプじゃないし、、、、

あー
あっ
何で私ってこうなの
鉄道模型屋さんに
ナンパしに来たわけでもないのに
、、、、、

模型を見るのよね」
そんなことを考えて
見ていると

奥のほうに
模型を走らせるところがありました。

街や森の中に
線路や駅が作られていて
かなり
本格的です。

ロフトダイエット その13

中年男性ばかりで
紅一点の蛍子でしたが
みんなには全く注目されていませんでした。

「私って魅力ないのかしら
誰も私を見てくれないわ

あー
ダメダメ
こんな所で
目立ってどうするのよ

それにしても
私を無視するよね
『私は
ネット界の女王よ』と
叫びたい気分だわ

模型の走る音って
軽い音ね
新幹線なんか
ゴーと重い音で
通り過ぎるのに
シャー
としか音が出ないのね。

でもこの音聞いた覚えがあるわ

そうだ
隣の部屋から聞こえてくるんだ
だから隣の人が
この店に来ているのか

鉄道模型ファンでも
相当な者なのかもしれないな

隣の部屋もロフトがあるから
きっとロフトには
こんなジオラマがあって
毎晩毎晩
走らせているから
あんな音が隣からするのね。

初めて知ったわ

でもこんなことがわかっても
役立たないよね」
と考えつつ
店を出ました。

そのあと
益雄は
今日は見るだけで
お店を出たのです。

そしてお店を出る時に
初めて
隣の部屋の女性が
店に来ていることに気が付いたのです。

「隣の人も
鉄道ファンなんだ
珍しいよね
あんなに若い女性が
こんなディープな世界に
興味があるなんて、、、

こんな裏通りの店
誰も知らないよ、、、

でも
10代の
lofteenさんも
鉄道ファンだから
そんなこともあるかもしれないかな

一度声を掛けてみようかな、、
でも
なんて掛けたらいいのかしら、、、

『鉄道模型好きですか
今度
私の部屋で
鉄道模型走らせません?』なんて
声をかけたら
変だし

なにか
前フリがないといけないよね。」などと考えつつ
家に着きました。

明るいうちに帰宅するのは
珍しいので
久しぶりに掃除
洗濯をすることにしました。

ガーガー と
掃除機や洗濯機が
音を立てました

蛍子は
いつもは隣が
静かなのに
今日は
音が聞こえてくるので
「おー
隣の人がいるみたいね
いつも遅いのに
今日は早いんだ

鉄道模型の音じゃない音が
聞こえてくるのは
久しぶりじゃない。

私も掃除でもしましょう。」と
思いました。

蛍子は
ネットを
その日はつけずに
買ってきていた
鉄道模型の
雑誌を
もう一度見てみました。

「おー
鉄道模型は
奥が深いよね。

これは はまる人がいるかもしれないよね。

隣の人みたいに

この電車は
こうなんだ。

ふーん
私も
一度走らしてみたいな
でも買ってきた
あれだけでは
無理みたい

お金も大分かかるみたいじゃないの

レールも馬鹿にならないお値段ね。

中古でもいいんでしょう。
どなたか下さらないかしら、、、
そうだ
ネットで
ツイートしてみましょうか。
あつかましいよね。
ダメよ
ダメよ
でも欲しいし
お金も大変だから

従順な少女は
そんなことおねだりしないよねー」
そんなことを考えて
その日は
終わりました。

一方
益雄は
パソコンを早速つけて
lofteenを探しましたが
新しい書き込みはありません。

「lofteenさんは
寝てしまったのかな

それとも
母親に
禁止されたのかもしれない

鉄道模型をしていたら
おかしいもんね
用事もあるだろうし

明日にでも」
と少しだけがっかりして
模型を走らせていました。

ロフトダイエット その15

土曜日まで
蛍子は
パソコンを
つけませんでした。

さして
用事はなかったけど
蛍子は退屈ではありませんでした。

以前は
退屈のしのぎに
テレビを見ながら
ポテトチップやせんべい・ドーナッツなどを食べていましたが
今は
模型の雑誌を見て
買ってきた一両だけの模型を見て
お菓子を本の少しだけ食べていました。

食べているのは同じですが
量は少なく
気分は
180度違っていました。

「鉄道模型って
そんなに面白いのかしら
奥が深いのはわかるけど
これが面白いとは
わからないよねー」と
考えながら
蛍子は
鉄道模型に
自分がはまっていっているのを
認めてはいませんでした。

隣の部屋から夜遅くなって
聞こえてくる
シャーという鉄道模型の音も
何かしら
懐かしく思ってしまっていました。


自分では認めていませんでしたが
待ちに待った
土曜日が来ました。

蛍子と益雄は
示しあわしたかのように
土曜日の夕方
パソコンをつけました。

そしてお互いにまず相手を探しました。

新しいものがないとわかると
それぞれ
ツイートしてみました。

蛍子:
鉄道模型って
奥が深いですね
先日模型店で走るところを見ました。
吸い込まれそうになってしまいました。
私のロフトにもあんなの欲しいよー

益雄:
今日は土曜日
早く帰ってきたので
ロフトの鉄道模型を
触っています。
皆様も御一緒に!!!

その書き込みを同時に見て
フォローします。

蛍子:
私も今日は早く帰ってきました。
一台しか鉄道模型がないロフトにいます。
うらやましー
なんちゃってーー

益雄:
模型店に行ったんですか
私も暇さえあれば行っています。
軍資金が続きませんの
何も買わないことが多いですが。


二人は別々に書くので
話しがふたつになっていました。

益雄:
lofteenさん
以前
働き始めたと言っていましたが
どんな仕事ですか。
私は営業職ですが。

蛍子は
「仕事は?」と聞かれて
単純な事務職とは
答えられませんでした。
「どんな仕事にしようかな

アーティストがいいよね

どんなアーティストがいいかな。
私にも出来そうな仕事と言えば

そうだ
これで行こう
『仕事は
ネイルアーティストだよ

細かい仕事で
神経を使ってしまう仕事です。』
えぃ

友達が
やってるから
内情もわかるし
鉄道模型マニアが
ネイルアートのことを
知らないだろうし」と
蛍子はまた嘘をついてしまいました。

ロフトダイエット その16

益雄:
ネイルアーティスト
かっこいいよね
爪に色を塗るんでしょう。
奥が深そうですね。

どちらのお店?

(店を聞いてきたので
少し慌てましたが、、、)


蛍子:
それは
ヒ ミ ツ
またの機会にねー

どんな仕事でも同じだけど
ネイルアートも
気を使うのよー

何たって
爪の先には人間が付いているから、、、

(この言葉は
友達の受け売りです。

蛍子の本当の仕事は
人相手ではなく
数字やパソコン相手だったんですが、、)

益雄:
そうですよね
人相手の仕事は
大変ですよね。
気を使っているばっかしだし、、、


蛍子:
○○○さんは
どんなものを営業されているんですかー

益雄:
うちの会社は
何でも扱っています。
一応飛行機からトイレットペーパーまでと言っていますが、、
私は
飛行機やトイレットペーパーは扱ったことないです。

模型の飛行機や
新聞紙は扱ったことがありますが、、、


蛍子:
大きな会社なんですね

益雄:
会社は大きいと思いますが、、
私は
そんなに大きくはありません。
lofteenさんはどんな方ですか

蛍子:
私は小柄です。
風に吹かれたら
飛びそうなー
そこまでは
軽くないですが、、

先日の春の嵐のときは
飛ばされそうでした。

(また嘘をついてしまいました。
蛍子は
実際は
背は低かったですが
痩せてはいませんでした。)


益雄:
lofteenさんは小柄な可愛い人なんですね。
そんな人が
鉄道模型を
見ているなんて
魅力的です。

憧れてしまいます。

蛍子:
そんなー
私なんて、、

益雄:
ところで
鉄道模型を
走らせる
レール余っていますが
送りましょうか。

(ほい来たぞ
欲しいけど
送ってもらったら
住所がばれてしまうじゃないの
嘘で固めた
私が
ばれてしまうじゃないの
やっぱりもらわないほうがいいよね)

蛍子:
ありがとうございます。
でも
遠慮しておきます。
知らない人に
もらったら
ママに叱られてしまいますから、、、

(ママのせいにしてみましょう。
すみませんお母さん。)

ロフトダイエット その17


益雄と蛍子のネットでの話は
止め処もなく続きました。

蛍子の話は
多分に嘘が入っていましたが、
益雄はそれを信じていました。

蛍子は
身の上話は
嘘になってしまうので
模型の話をするために
雑誌の中の
列車について
聞いてみました。

そうすると
益雄は一気に知っていることを
話しはじめたのです。

益雄だけでなく
他の鉄道オタクの面々も
同時に話しはじめて
蛍子は
またネット界の女王になってしまいました。

退屈とは縁遠くなってしまって
話に夢中になりました。

そんな楽しい時間も
夜と共に終わってしまいます。

こうして
1週間に二度三度
インターネットを通じて
話し合う
蛍子と益雄でした。

まさか隣同士とは全く考えていなかったのですが、、、

そんな二人が住んでいる
ロフトにも
春が終わって
初夏になってきました。

益雄は
相手のlofteenが
どんな人か
勝手に
想像していました。

益雄の頭の中では
lofteenは
「名前は紗江子
年齢は19歳
4人家族で
父母と兄
東京に住んでいて
新宿のネイルサロンに働いている」
と言うことに
なっていました。

なぜ名前が
紗江子かなんては
益雄自体わかりませんでした。
何となくそう思ったのです。

益雄は
仕事の関係上
5月の連休は
まったく休みがありませんでした。

その間
蛍子は
長い連休
暇で暇で仕方がありませんでした。

連休が明けると
益雄は
代休になって
休みが続きます。

反対に蛍子は
休みなしです。
カレンダー通りの休みです。

益雄は
休みの日は
鉄道模型を見ているか
鉄道を見るために外出するか
の毎日でした。

ロフトで
一日中
鉄道模型を見ていたときもありました。

5月の中頃でしたので
ちょうど良い季候で
ロフトの天窓を
開けて
夕日が差し込んでいました。

益雄が
夕日に照らされた
鉄道模型を
じっくりと眺めていたとき
隣の蛍子が
会社から帰ってきました。

蛍子は
いつものことをする前に
ロフトの天窓を開けるために
ロフトに上がってきました。

天窓を開けると
隣の音が聞こえてきました。

蛍子は
「あ
いつもの
音が聞こえてきている

鉄道を動かしているんだ。
好きだよね。

他にすることないのかしら
例えばネットをするとか

関係ないわよね

あっ
なんか言っている」
と思いながら
おもわず
耳を澄まして
聞いてしまいました。

「何々
お隣
なんかしゃべっている
何を
ぶつぶつ
言っているの?
一人で住んでいるはずなのに
寂しいのかしら

んー
『紗江子』
と言っているよね。
紗江子って誰

あー
そうだそうだ
そんなことどうでも良いわ」
と
隣のつぶやきを
聞き耳を立てたことに
反省してしまいました。
蛍子は
下に降りてきて
いつもの行事を済まして 
ロフトに上りました。

いつものように
お菓子を左手に持ちながら
パソコンのスイッチを入れて
お気に入りに入れてある
lofteenのホームへ
行きました。

「あるある
○○○さんが
やっているみたいだわ

何々
『今度会って欲しい』って
『余っている鉄道模型の
レールを持ってくる』って
一度会ってみたい気がするけど
ネットの人と会うということは
ちょっとやばいよね。

変なおじさんだったらどうしましょう。
隣のようなお兄さんなら
良いけど

鉄道オタクには
悪い人はいないけど
○○○さんは、
いい人とは限らないよね

あっ
そうだ
私嘘ついていたんだ
年は若いとか
痩せているとか
書いたような気がするし
家族と一緒に暮らしているとか
ネイルアーティストだとか
言っていたよね。

全部嘘じゃん

困ったなー
一度会ってみたいけど
会ったらすべて嘘だとわかってしまう。

会うべきか会わざるべきか
それが問題だ
なんちゃって


どうしようかな
でも
歳は言っていないんだから
今の歳でも良いよね

家族で一緒に住んでいることになっているけど
ひとり暮らし始めたことにすれば済むことよね。
ネイルアーティストも
転職したことにすれば良いんだ
お店が潰れたとか言ったらいいんだ。

なーんだ
簡単じゃないの

まてよ
可愛い子ぶって
痩せているとか書いたよね

ちょっとそれは
違うかも
それは決定的な違いよね
期待はずれじゃないの

うーん

あっ
そうだ

痩せればいいじゃん

そうしてみるか

それでは
『○○○さん
私も会ってみたいけど-
今はだめなの
仕事がね
たいへんなの
お店が
ちょっと今たいへんだし
ひとり暮らしを始めようと思うので
忙しいの
秋頃になったら
会ってみたいなー

だって夏に会ったら
夏だけになりそうだし-』
えい
これでどうだ。」
と
秋に会う約束をしてしまったのです。

蛍子は
秋までの
何とか痩せなければならない羽目になってしまいました。

益雄は
lofteenが
秋に会っていると言うことを聞いて
嬉しくなってしまいました。

他の鉄道模型オタクからも
応援の
声が
どんどんやってきたのです。

そんな噂を
ネットで見ながら
蛍子は焦りました。

「痩せるってたいへんだよね
どうすればいいの

体重だけ量るダイエットは
やったし
リンゴや
バナナなんかひとつだけ食べる
やり方は
直ぐに飽きてしまうし、
ジョギングやスイミングは
疲れるじゃないの

だめだよね

やっぱりカロリーの制限が良いのよね。

ダイエットって
食事制限のことでしょう。
運動でダイエットなんておかしいよね。

そんなことどうでも良いか

痩せなきゃいけないんだ。

やっぱり食べないのが一番よね
じゃ少し食事を減らしましょう。

そうよね
私は
間食が多いんだわ」と言って
左手のお菓子を
恨めしく見ました。

「明日からダイエットしましょう。

ダメダメ
明日からと言ってたら
いつまでも始まらないよね。
やっぱり今日から始めよう。

このお菓子は
仕舞っておきましょう。

、、、
、、、、、、、
、、、、、、、、


でも手持ちぶさたよね
そうだ
鉄道模型でもやってみようかしら
鉄道オタクって
模型屋さんで見たけど
太った人いないよね。

隣の人も
太っていないよね

鉄道ダイエットでもしようかしら
ダイエットの使い方間違っているよね
でも鉄道模型を見ることによって
食事が制限ができたら
鉄道ダイエットも良いかもしれないよね」と思いながら
ひとつしかない
模型をしげしげと
見て
走っている雄志を
思い浮かべていました。

もうここまで来ると
蛍子は
鉄道オタクになっていました。
蛍子のダイエットは
最初は間食を摂らないだけでしたが
それでも大分効果がありました。

以前のように退屈な
生活でしたら
口が寂しくて
ついつい間食をしてしまうのですが
今は退屈でないので
出来たのかもしれません。

でもそんな努力も
あるところで
底になってしまいます。

そのために
別の方法を考えなければならない時に
偶然新聞に出ていた
難消化性デンプンを見つけました。
その名の通り消化しにくいデンプンですので
「これは使える」とおもいました。

「食べても太らないじゃないの」
と思ったのです。

難消化性デンプンは
炊いたご飯を冷やし
また暖め
冷やすことを
繰り返すと
その度に増えるそうです。

一度ご飯を炊いて
暖めて食べる習慣のある
蛍子にはもってこいの
方法でした。

この記事を見てから
蛍子は
炊き立てのご飯はやめ
冷ご飯を暖めて食べることにしました。

外食もやめて
お弁当を持っていくことにしたのです。

こんな風にすると
体重はまたゆっくりと
減っていきました。

それと
お腹がすかないように
なったのです。
腹持ちがいいというのか
お腹がすきません。

間食なんかほしくならないのです。

こんなことを続けていたある日のこと
某放送局が
イカ焼き器で
ご飯を直ぐに
せんべい状態にできると放送しているのを
聞きました。

「これは使える」と思いました。
見かけのカロリーと
本当のカロリーは
異なります。

カロリーを計る
ボンブメーターでの測定値は
消化吸収を加味していないので
本当のカロリーは
必ず低い値です。 

消化吸収が悪いものなら
どんなにとっても
平気です。

ご飯を
焼くと
パリパリになって
いかにも消化吸収が
悪そうです。

難消化性デンプンというが
増えているように思います。

そこで
このイカ焼き器を
インターネットで
注文しました。

直ぐに送ってきて
イカ焼き
いやご飯焼き開始です。

ご飯を薄くのせて
ふたつの鉄板の中に挟みます。

ガスコンロに掛けて
焼き始めると
こうばしい香りが
でてきます。

焼き加減によって
パリパリの
歯が立たない程の
せんべいのようなものから
柔らかい「ナン」のような
ものまでできました。

あまり堅いのは
歯が立たないし
歯を折っても仕方がないので
やめました。

柔らかいのは
野菜を巻いて食べたりすると
美味しいのですが
本来の目的ではないので
これもやめました。

「やっぱり
中庸が良いよね、

堅くもなく
柔らかくもない
この堅さが
たまらない。

少し塩味にしたり
醤油味にしたり
唐辛子をふったり
蛍子は
これだけを食べても良いと思いました。

それだけではありません。

これを食べると
おなかがすかないのです。
ご飯の代わりに食べておけば
その次まで
間食が
まったく不要です。

蛍子は
このイカ焼き器を得て
ダイエットが
大きく前進しました。
そんなダイエットをしている間にも
時々
蛍子と益雄
lofteenと○○○のツイッターは続いていました。

蛍子:
新しい模型買いましたか
私は店に行っても
目移りがして
何も買えません。

益雄:
そうですよね
私も
模型屋さんへは
毎日のように行きますが
ここ2ヶ月は
何も買っていません。
あれもこれも欲しいのですが


蛍子:
その気持ちわかります。
仕事は忙しいですか

益雄:
おかげさまで
商売繁盛みたいです。
社長が
仕事を取ってくるんです。

(仕事の話になったわ
私が仕事を変わったことにしないと
この機会に
うまくそんな風に持って行こう)

蛍子:
良い社長さんですね
私の店の
店長と大違いだわ

益雄:
どうしたんですか

蛍子:
私の勤めている店
潰れそうなんです。
ネイルアーティスト
やめなければならないみたいです。

益雄:
それはたいへんですね。

蛍子:
今度は普通の会社にしようと思うんですけど
どうでしょうか。

(えー
いきなり身の上話
どう答えればいいのかな
『夢をあきらめないで』
と言うか
『堅実の方が良い』と答えるかだよな
こんな場合はどう答えればいいの

相手がよいと思っている方に答えるのが
こんな時は良いのだよね
じゃ)

益雄:
lofteenさんは
どちらが良いと思うの?
ネイルアーティストは
仕事がたいへんなんですか

蛍子:
そうなんです。

(そうなのか。
ネイルアーティストは
大変みたいだから
きっとこうだね)

益雄:
だったら
堅実の方が良いんじゃないですか。
世の中
氷河期とか言われているから

(ほら来た
でも直ぐにそうしたら
軟弱に思えるから)

蛍子:
堅実の方が良いですよね
でも
ネイルの方もあきらめきれなくて
しかし
堅実の方が
将来は良いかもしれませんね

益雄:
私の仕事は
忙しいけど
堅実な仕事だから
それに堅実な仕事の場合は
趣味にも
先が読めるから
良いよ。

蛍子:
そうよね
そうしてみようかしら
それから
相談ついでに
もう一つ相談があるの
私
ひとり暮らし始めたいの


(えー
そんな相談
どう答えればいいの
ひとり暮らしを始めたら
と言ったら下心が
見えたら困るし
どう答えればいいのだろ-)

益雄:
ひとり暮らしを始めるの
何かあったの?

益雄は
「いつものlofteenじゃない」 と思いました。

いつもの
lofteenは かわいっこ ぶりっこ のようでもあり
「かまとと」のようでもあるのに
今日は
なんだか変

やっぱり職場が
未練があるのかと
思いました。

夢をあきらめない方を
勧めた方が良かったかと
考え直しました。

そういうわけで

益雄:
先ほどの話だけど
やっぱり夢をあきらめない方が
良いんじゃないかな

(えっ
そんな話に帰っている
転職しなきゃどうするのよ)

蛍子:
そうかな
夢を追うのは疲れるの
もう若くはないし
堅実に
夢も良いけど
生きるのも
良いのよね

(どちらを勧めたらいいの
言葉では
堅実と言っているけど
本当は
夢の方かもしれないなー
背中を押して欲しいのかもしれないなー
それなら)

益雄:
夢を追いかけるの
疲れるけど
諦めたら
体は疲れないけど
心は疲れるよ
夢を持っていたら
それを最後まで
やり通さないと
一生中途半端になりますよ
私が言うことではないですけど、、、、

(あっー
そうよね
夢はあきらめたら
一生中途半端よね
でも
私
ネイルアーティストになりたいと思っていないのよ
どうすればいいのよ
困ったな-
でも
『夢をあきらめる』と言ったら
中途半端な人間と思われるかもしれない。
本当にどうすればいいのよ

、、、、、、、、、
、、、、、、
(時間が過ぎて、、、、)
、、、

この場は
やっぱり
こう答えるしかないよねー)



蛍子:
○○○さんがそういうのも
よくわかります。
私もう少しがんばってみます。

(長く考えているなー
やっぱりそうだよね。

一生のことだから
悩むよね)

益雄:
言葉だけの応援しか今はできないけど
何かぼくにできることはないかなー

蛍子:
ありがとう-

蛍子のもくろみは
成功しませんでした。
その後もっと
蛍子は
窮地??になるのです。


蛍子は
ダイエットには
うまく成功していました。

やり始めてから
1ヶ月で
3kg痩せて
ひとまず成功です。

首筋や
お腹周りが
少し細くなってきているのを
実感できるようになりました。

蛍子のダイエットは
間食をやめる
それから
難消化性デンプンを摂るの2点です。

これからも続けていけば
秋までには
何とかほっそりした体になれると
思いました。

しかし
転職と転居は
少し難しくなっていました。
実際に転職や転居をするのではないですが
○○○さんに言ったことが
嘘にならないためには
転居して
転職したことにしなければなりません。

こんなことに悩んでいる
蛍子は
自分でも
バカげているような気になりました。

悩んでいても仕方がないので
ネイルアーティストをしている
友達に
相談してみることにしました。

ちょっと変わった相談で
恥ずかしいけど
やっぱり
自分の力じゃ
無理みたいだし
思い切って
電話してみました。

友達は
直ぐに会ってくれる約束をしてくれました。

友達は
土日は仕事なので
お店の休みの
火曜日に
会うことになったので
蛍子は
珍しく有給休暇をとって
約束の
カフェに
行きました。

お土産に
マカロンを買って
行きましたが
早かったので
書店に寄って鉄道模型の本や
ネイルアートについての本も
立ち読みしました。


ネイルアートは
あまり知らなかったけど
「可愛くて 面白いな」と
思いました。
時間が来たので
蛍子は待ち合わせの
カフェに行きました。

しばらく待つと友達は
やって来ました。
一年ぶりに会うのすが
前にあったときよりも
きれいになっていました。

蛍子:
お久しぶり
直子前よりきれいになったじゃないの
見違えるわ

直子:
何をおっしゃる
私はズーと前から綺麗よ

蛍子:
そうだよね
直子はクラス一の
美人だものね

直子:
そこまで言わなくても
良いわよ
なんか私の頼みでもあるの
お金はダメ
お金以外なら
相談に乗っても良いけど

蛍子:
ありがとう
相談があるの

と言うわけで
○○○さんとの
ツイッターでの
顛末を
話しました。

直子:
蛍子は
その人が好きなんだ。
でも会ったことないんでしょ
おじさんだったらどうするのよ

蛍子:
そんなんじゃないよ
直子ったら

直子:
じゃどうするわけ
私に相談と言うことだから
ネイルアーティストにでもなるの
大変だよ
蛍子は
学生時代から
手先は不器用だったじゃないの
そうだ料理実習の時に
ジャガイモの皮むきをしようとして
手の皮をむいていたじゃないの
それから
、、、

蛍子:
そんな昔の時のことをおいておいて
どうしたら成れるの
簡単に言ってよ

直子:
そうね。
それは、、、、

そんなこと簡単に言えないでしょう

蛍子:
そうじゃなくて
一日だけ
ネイルアーティストになるの

直子:
会うときだけ
だまそうという魂胆ね

蛍子:
お言葉が悪いんじゃありませんこと
一日だけ
ネイルアーティストになると言うことです。

直子:
はい
はい
わかりました
でも
一日だけで住んだらいいけど
いい人だっても
もう会わないの
そんなことないでしょう。

蛍子:
その時はその時のことで
また
ネイルアーティストでもなります。

直子:
あらそうなの
そんな簡単に言えるんだ

と言うわけで
蛍子は
ネイルアーティストの
仕事の手順とか
お店の場所とか
聞きました。

3時間くらい話した後
直子は
別の用事があると言うことで
分かれました。

蛍子は
鉄道模型屋さんに寄って帰ることにしました。
いつもの模型屋さんは
平日なのに
いつものように
鉄道ファンが
居ました。

蛍子は
「まあ
平日なのに

仕事しなさいよね。
平日にこんな所に来て

私もか

それでも皆さん好きよね
でも平日は
サラリーマン風の人は少ないよね
学生かな
珍しい女性もいるわ

これも私もよね。

そんな人間観察は良いわ

鉄道よね
鉄道
今日は
なんだか買ってみたい気分だわ

そうだ
○○○さんが言っていた
車両を買ってみようかしら、
それとも
レール買おうかな
レールはかなり高いよね
○○○さんが下さると
言っていたよね

やっぱり
車両にしよう
これが良いよね
でもこれも良いかな
こっちも良い
あー
悩んでしまう」
と
つらつらと考え込んでしまいました。

蛍子は
もう十分に
鉄道オタクになっていたのです。

二時間くらい
悩んだ末に
やっぱり
○○○さんの
勧めた
車両を買ってしまいました。

その模型を
抱いて
ロフトのお部屋に
急いで帰りました。

それから
いつもの行事を済ませて
ロフトに上がり
パソコンをつけ
買ってきた
模型を
机の上に置きました。





パソコンの電源を入れて
いつもの
ツイッターの
lofteenのページを
見ました。

そうすると
いつもよりも
数倍
フォローの数が多い
蛍子は
「えっ
どういうことなの
別に何もしていないのに

こんなにもあるよ

どれどれ、、、
、、

『夢をあきらめないで、、、』
えー
『夢はきっとかなうから,,,』
どれどれ
『初志貫徹,,,,,』
、、、
『ネイルアーティストあきらめないで、、、』

こんなのばかりじゃないの
そんなに応援されても困るよね。

嘘なんだから、、、

○○○さんの仕業じゃないこれはきっと

もう後には引けなくなってしまったみたい。

じゃひとつひとつに
お返事でも
えーい
まとめて返事でも

『皆様応援本当にありがとうございます。
ちょっと相談しただけで
こんなに大事になってしまって
皆様に心配して頂いて申し訳ございません。

ご忠告通り
初心貫徹がんばります.』
えーいっ

これで良いんじゃない
でも
私の職業は
ネイルアーティストということに
なってしまったわ。

どうすればいいのよね

あっ
素早いフォロー
何々
『初心貫徹じゃなくて
初志貫徹です。
これは、、、、、、、、、、』

間違いを指摘されてしまった
鉄道オタクは
くどいのよね
熟年の人が多いから
間違いの指摘も多いわ

でも私は
従順な女性と言うことにしておかないと
いけないから
返信しておこう

『そうだったんですか
これから気をつけます。
また違っていたら
教えて下さいね。
ありがとうございました。』

これで良いよね。

そんなことは良いけど
ネイルアーティストについては
本当にどうしたらいいのよね

やっぱり
ネイルアーティストにならないとけないのかしら
、、、、
、」
と考えなら
ネイルアーティストになるための
専門学校の
ホームページなんかを
見て回りました。

「ネイルって
可愛いよね。

芸術だわ
私も芸術家になれるかしら

でも不器用な私はダメよね
やっぱりダメダメ

ツイッターで
嘘を言ったからといって
ネイルアーティストになるなんて
本末転倒だし、
、、、、、

私の
夢ってなんだったんだろうね。
何も考えていなかったように思うわ

そうだ
ネイルアーティストなった
直子は
小学校の時に
画家になりたい
と言うようなことを言ってたよね。

ある程度夢が叶ったんだ。

私なんだったんだろう。

うーん
なんだったか思い出せいない

きっとたいした夢でなかったんだろうかね。
そう考えると
気になってしまうよね。

お母さんに聞いてみようか。

久しぶりだし
電話してみよう」と
蛍子は
母親に電話をしました。


蛍子:
蛍子です。
お母さん元気?

蛍子の母:
蛍子
何かあったのかい

蛍子:
いえ
何もないけど
お母さんの声を聞きたくて

蛍子の母:
えー
やっぱり変だね
何があったのか正直に言いなさい。

蛍子:
何もないってば
何もないけどね
ちょっと知りたいともおったことがあって

蛍子の母:
何
何を知りたいの

蛍子:
私ね
子供の時何になりたいと言っていたの?
私思い出せなくて

蛍子の母:
そうだね
おまえはお兄ちゃんと違って
そんなことを言っていないように
思うけど
そうだね

、、、、、、、、

、、
お嫁さんになりたいって
言ってた様に思うよ
隣のお姉ちゃんが
お嫁入りを聞いて
そういったように思うね

『可愛いお嫁さんになるの』
と言っていたね
確か

そんなこと聞いてどうするんだい

蛍子:
そうなの
そんなこと言っていたの
そういえばそんなこととだったようにも思うけど
そうなの

蛍子の母:
それに間違いないと思うよ
今更それを聞いてどうするんだい


蛍子:
いや別になんでもないよ

蛍子の母:
大丈夫かい

そんなことを話して
長い電話を切りました。

蛍子は
そういえばそんなことだったような気もしました。
蛍子は
子供の頃の夢が
お嫁さんになることと言うことに気づいて
少し苦笑しました。

「そうだよね
お嫁さんだよね

お嫁さんになるなんて
できるのかな。

やっぱり正直に
職業のことは
話した方が良いんだよね。

今度秋に会うときには
正直に話してみましょう。

ひとり暮らしのことも
正直に話すことにしましょう。

ダイエットのことは
今進行中だし
このままでいきましょう。

でも直子が言っていたように
○○○さんが
おじさんだったら
、、、、、

仕方がないよね。

そんなこと勝手に考えているのは
私だから
、

そうだ
ツイッター見てみよう
○○○さん
やっているかな

お
やってるやってる
鉄道模型のここが良いって
そんなマイナーなところ
誰も知らないよね

オタクは知っているんだよね

そんなこと知ってどうするのよ。」
と思いながら
○○○の
ツイートを
ゆっくりと
見ていました。

「それも良いけど
こうなったら
ダイエットよね

○○○さんでなくても
他の誰かと
結婚するにしても
こんな状態では
ダメだよね

やっぱり体も
心も
鍛えた方が良いよね。

そうだ。
料理教室に通おう
料理のできる女性って
良いもんね。」
と
蛍子は
頭の中で
妄想とでも言うものが
大きくなってきていたのです。

その後
○○○さんとの
会話というか
つぶやきは
仕事や
住んでいる所などのことは
話さないように
気をつけていました。

でも
かわいこぶりっこは
やっていたのです。

蛍子は
それはやった方が良いのかなと思っていたのです。
秋に会うときには
カワイイ系の
フリルのついた
ミニスカートの
着てみたいと思って
お店を回っていました。

「でも足が
体の線が
出てしまうのが
難点よね。

あれを着るためには
あと10kgは痩せないといけないわ

足をダイエットって難しいのよね。

今のダイエットでも
汲々としているのに
これ以上は
何か一手を考えないと、、、

そうよね
やっぱり運動とか
汗を出すとか
しなきゃいけないんじゃないかしら

でも今日は暑いよね。
ロフトも暑くなって
7月8月9月はロフトはサウナよね

あっ
そうよね
ロフトで
汗を流せばいいのよね

気がつかなかったわ
去年も住んでたけど
エアコンを付けたりして
暑さから遠ざかっていたからね。


そうだわ
明日の日曜日は
ロフトダイエットしよう」
と考えついて
これは良いと
思っていました。
翌日は
本気になって
ダイエットをしました。

「難消化性デンプンを食べ
間食を食べず、
それから
ロフトで運動する」
ことにしたのです。

運動は一日目で
あまり初日から
飛ばすと
後がつかれるから
簡単な
腕立て伏せや
スクワットを
10分くらいしかしませんでした。

でも
ロフトで体を動かすと
汗が出てきました。

「ロフトって良いよね

こんな使い方もできるもの

秋には
お嬢様ドレスを着れるように
絶対に成れそう。

あー
のどが渇くよね
だからといって
甘いものは
ダメダメ
水でも飲んでおこう

『大阪の水は
高度処理水なんだから
美味しいんだ』
なんて
○○○さんは言っていたよね。

そうか
○○○さんは
大阪なんだ

ひょっとしたら
会ってるかもしれないよね。

でも
私は
住所を言っていないから
向こうはわからないけど
、、、、

えへっ
運動の後に
水は美味しいよね

水の代わりに
炭酸水でも良いんだよね
カロリーがないもの

明日買ってきておこう」
と考えながら
パソコンを見ていました。
体重をグラフに付けて
書いていました。

徐々に
体重も落ちてきていて
目標の45kgも
見えてきました。

でも
間食を摂らなかったり
腕立て伏せをしたりで
相当ストレスがたまってきた蛍子でした。

そこで蛍子は
あと5kg
1kg痩せるごとに
自分自身にご褒美と言うことで
鉄道模型を
買うことにしました。

でも
逆に増えたら
模型を買わない
ことにしました。

そんなことを決めると
次に何を買おうかと
考えるだけで
楽しくなっていました。

そんなことを決めつつ
ツイッターでは
○○○さんと
話していました。

蛍子は
会う秋も近づいたので
嘘のことは書かずに
本当のことを書くように
していました。

益雄:
僕は今日は
疲れてしまったよ
一日中得意先回りで
この不景気
うまくいかないもの
lofteenさんも
仕事大変じゃない

(仕事の話だ
困ったよね
嘘をつかずに
本当のことを書いてみようかな)

蛍子:
あっ
仕事
仕事は
そんなに
時間から
時間で
忙しくありません。
営業の仕事は大変ですね。

益雄:
営業自体は
好きなんだけど
うまくいかないときは
イライラするよね。

そんなときは
鉄道模型を
見ると
気が休まります。

(やっぱりそう来るのよね
でもそっちに話を持って行こう)

蛍子:
そうですよね
鉄道模型精神安定剤のような効果もありますよね。
私は
職場に持って行っています。
○○○さんはどうしてますか。

益雄:
もちろん
机の上に
置いてありますよ。
みんなにはわからないようね
ものですけど。

鉄道模型の
文鎮なんです。
みんなには
そう言っているんです。

本当は
鉄道模型を
文鎮にしているだけなんですけど
模型の中に
おもりを入れて
文鎮にしているんです。
特製なんです。

(○○○さんらしい
でもそれって良いよね
私も)

蛍子:
文鎮に鉄道模型はどんな風に
するんですか

益雄:
それはね
、、、、、、、、、
、、、、
(くどくど、、)

ふたりは
鉄道模型を
文鎮にする方法で
大きく盛り上がってしまいました。



lofteenと○○○との
会話は
鉄道オタクに
知れ渡っていましたから
鉄道模型で
文鎮を造ると言う
アイデアは
広まって
いました。

その日の翌日
その材料が
ホームセンターから
なくなったのは
言うまでもありません。

真夏になってくると
蛍子のロフトも
益雄のロフトも
暑いものになっていました。

蛍子にとってのダイエットとしての
場所としては
最適なものになっていました。

ちょっと動いただけでも
汗だくになるので
効果抜群と
蛍子は思っていました。

その効果もあったのでしょうか
目標もあとわずかとなって
鉄道模型が
増えてきた蛍子は
昔の
退屈とは
まったく違ったものでした。

秋に会うときに
着ていく服や
靴を選ぶのが
楽しくなっていたのです。

そんな毎日を
過ごしている蛍子の隣の
益雄のロフトも
暑くなっていました。

益雄は
夏になると
もちろん冷房をします。

大阪の夏は暑いので
冷房をするのは当たり前ですが
益雄は
ロフトを
できるだけ快適なものにするために
創意工夫をしていました。

エアコン自体は
一台しか部屋についていません。
それも
ロフトに
あまり冷気がいかないような
付き方になっているのです。

そのまま冷房しても
冷気は重く
熱気は軽いので
ロフトは
暑いものになってしまいます。

益雄は
クーラーの
冷気の
通り道に
扇風機を付けて
冷気を
ロフトに
持ってくるのです。

壁掛けの
扇風機を
工夫して
そんな風に
しているのですが
これがあると
エアコンさえ付けていると
ロフトは涼しいものになっていました。

益雄は
こんな良いやり方に
自信を持っていたのですが
lofteenにも教えてあげようと思いました。

益雄の隣の
蛍子ことlofteenは
その暑さをダイエットに利用していたのですが
そんなことを知るよしもありません。

益雄は
秋になったら
lofteenに会って
今は使っていない
模型の線路を
プレゼントしようと
線路を
磨いていました。

でも 少し不安もありました。
ひとつは
lofteenが
ものすごく若い人で
私と不釣り合いだったらどうしようということと
私を見て
がっかりしないかの二点です。

lofteenが
良い人でなかったらと言うことなど
まったく
益雄は思っていませんでした。

益雄は
仕事が忙しいし
趣味の鉄道趣味に没頭していたから
彼女を作ることなど
まったく念頭になかったのです。

そんな益雄でしたから
秋になって
初めて
女の子と
デートすることになって
不安でいっぱいでした。

そこで
服装や
デートの場所なんかを
どうすればいいか
聞きたいのですが
男友達に聞いても
あまりパッとしない意見ばかりでした。

やっぱりこういうことは
女性に聞いた方が
良いのではないかと思ったのですが
益雄の友達や
同僚は
男性ばかりでしたし
そんなことを
聞ける人は
いませんでした。

そこで
時々挨拶をする
蛍子
(この時は益雄は
名前も知りませんでした)
になにげに聞いてみようと
おもったのです。


益雄は
ゴミ出しの時や
朝出勤時に
よく会っていた
隣の女性に
聞いてみようと
思ったのです。

朝の挨拶程度しかしないのに
そんなことを聞いても良いかと
あとになって考えるのですが
益雄は
聞ける人がいなかったことと
何事にも
几帳面な
益雄の性格もあるのです。

そこで
土曜日の朝
ドアの中でで様子をうかがうように
隣のドアが
開かないか
じっと待っていました。

いつもなら
燃えるゴミを
8時過ぎに
出すのですが
蛍子は
その日は
運動のせいもあって
疲れて寝過ごしてしまっていたのです。

蛍子は
8時頃目覚めて
「今日はゴミの日よね。
早く出さなきゃ

生ゴミを
火曜日まで
置いておけないわ。

早く服を着替えて
あー
お化粧は
省略しておきましょう。
休みの日だし
誰にも会わないだろうし。」
と考えて
急いで
ティシャツとパンツをはいて
生ゴミを持って
ドアを開けました。

その音を聞いた
益雄は
やおら
ゴミ袋を持って
ドアを開いて
廊下に出ました。

前を歩いている
蛍子を
早足で
追いかけ
追いつくと同時に
「おはようございます。
今日は天気が良いですね」
と蛍子に話しかけました。

いつものような挨拶なので
蛍子は
「おはようございます。
そうですね。」と笑顔で答えました。


蛍子は
挨拶だけだと思っていましたが
そうではなかたのです。
益雄のいわゆる世間話が続きます。

益雄:
こんな日には
出かけたいですよね。
どちらかに出かける予定ありますか

(蛍子は
『えっ
これってナンパ
こんなところで
ゴミ出しの時に』
と思いましたが
、、、、、)

蛍子:
いえ今日はありませんわ
どちらかに出かけられるんですか

益雄:
今日じゃないんですけど
出かけなければならないんです。
どんな服で出かけたらいいでしょうね


(「何
何なの
私に何を聞くのよ
そんなこと私に聞いて
どうするのよ」
と思いつつも
蛍子は)

蛍子:
そうですね
どんなところに出かけるかで
服も決まるんじゃありませんか

(まともな答えをしてしまいました。)

蛍子に尋ねられて
一瞬ドキッとしましたが
この際は
正しく答えて
意見を聞いた方が
良いと益雄は
判断しました。

益雄:
秋になると
まだ会ったことのない
人と会うんです。

初めて会うその時に
どんな服で
会えばいいか
教えて欲しいのです。

突然すみません。

(蛍子は
『そんな
身の上話を
隣人にして
どうするのよ

よほど友達が少ないのかしら。
そうだ
鉄道模型に熱心なんで
友達が少ないのよね
仕方がないかもしれないわ」と
考えて
相談にのってあげることにしました。


蛍子:
どんな人なんですか。
相手の服装に依るんじゃないですか。
相手がカジュアルなら
カジュアルに
フォーマルなら
フォーマルに決めるのが
良いのではないでしょうか。

益雄:
あっ
そうですよね。
それをまず聞く方が良いのですね。

蛍子:
そんなことを
聞くことができるのですか。

益雄:
そうですね
唐突に聞くことはできませんよね。

蛍子:
何かに寄せて
聞けばいいのでしょう。
例えば待ち合わせの場所で
推測すればいいのでしょう

益雄:
そう言う方法があるのですか。
教えて下さってありがとうございます。
また聞いたら
再度お尋ねしますので
よろしくお願いします。
ありがとうございました。

蛍子:
いえ
どう致しまして

蛍子は
まともに答えてしまった
自分をほめてしまいました。

「でも隣人は
誰と会うのかしら、、
女性と言ったから
彼女かしら
でも初めて会うというのだし
お見合いかしら
そうでもないみたいだし
、、、、
、、、、、、、、、、、
まあいいか」と
考えました。





ゴミ捨てに行って
思いがけず
人生相談を
受けた蛍子は
少し
満足な気分になりました。

「私って
そうよね

頼りがいがあるみたいなもんだから
近所の人にも
尋ねられるのよね。

ネットでも有名だし
私って
すごい能力が
あるのかもしれないわ。

○○○さんも
きっと私に夢中なのよね
いやこれは
推測ですが

本当にそうかしら」
と考えつつ
家に帰りました。

一方
益雄は
良いことを教えてもらって
ありがたく思っていたのですが
それとは別に
「隣の人
いつもと違って
すっぴんだったよね
眉毛が
いつもと違うし
頭は
爆発しているし
そうそう
チャックは
半分空いていたし
隣の人って
教えてもらっているのに
言うのは失礼だけど
軽率よね」
と
隣人の蛍子を
批評していました。


益雄は
部屋に帰ると
ロフトはもう暑くなっていたので
階下に
模型と
パソコンを持ってきて
コーヒーを
入れて
朝ご飯の用意をしました。
パンを焼いて
ジャムと
バターを塗って
食べ始めました。

パソコンを付けて
ツイッターのページに
入りました。

その頃
お目当ての
lofteenこと
蛍子は
二度寝していました。

蛍子が
起きるのは
11時頃です。


蛍子が起きたのは
もう太洋が南に来て
ロフトの天窓から
日が差し込んでいた
時間でした。

エアコンを
ロフトに向けて
蛍子は
つけており
涼しいお部屋にしていたので
長寝してしまったのです。

遅い朝ご飯ー昼ご飯を用意して
遅い食事を摂りながら
パソコンの電源を入れました。

ツイッターのページを見ると
○○○さんが
もうずっと前から
待っていました。

蛍子は
「いや悪い
悪い

ゴミ出しのあと
寝てしまったら
爆睡してしまったわ

でも隣の人
何故あんなこと聞いたのでしょう
気になって
寝られなかった
というのは嘘よね

そんなつまらぬことを考えないで
○○○さんに答えてみよう

何々
『秋に会うという約束だけど
どこで会おうか
会ってからどちらに行きましょうか』
だって
まだ先の話なのに
割とせっかちよね
じゃこれで行こう」
と言いながら

蛍子:
どちらが良いでしょうかね
雰囲気の良いところなら
どちらでも構いませんわ

その頃
益雄は
もう退屈していました。
パソコンとにらめっこで
見ていたのですが
まったく
変わらないので
昨日仕事のせいもあって
うとうととしていたのです。


でも目を開けて
なにげに見た画面に
lofteenのツイートがあったのです。


慌てて
益雄は答えました。

益雄:
lofteenさん
機関車でも見に行きませんか
梅小路には
19両の機関車があって
そのうち
5両は現役なんだよ

(あっ
そうか
そんなところがあったのか
予見できなかった私って
馬鹿よね
普通に考えたら
そこでしょうね。

蛍子:
そうね。
それが良いかもしれませんね
私行ったことないし
○○○さんは
行かれましたか

益雄:
行きましたよ
もう10回以上は行きました。
機関車の
何々は、、、
、、、、、

(くどくど)


益雄の
うんちくを
興味深く聞いた蛍子は
「○○○さんと
デートしたら
きっと
鉄道てんこ盛りよね。

鉄道が
好きでないと
きっとつとまらないわ

でも私
鉄道好きよ
鉄道模型があるから
この頃退屈でないし
鉄道は
癒し効果もあるよね

夜もぐっすり眠られるし
言うことなしよ。

それにダイエットもできるし」
と思いました。


益雄は
初めて会う場所が
わかったので
少し安心しました。

「梅小路なんだから
フォーマルな服ではなく
カジュアルで行く方が
良いかもしれない。

でもカジュアルって
いろんなものがあるのだから
どれが良いのかな

下は
ジーンズのパンツにしようか。
古びたのが良いのかな
それとも新しいのが良いのかな。

上の服は
秋だから
Tシャツは
場違いかな
ポロシャツの方が良いかな。

バッグは持った方が良いのか
持たない方が良いのか

わからないことばかりだー

どうしよう
、、、、、、、、
、、、、
、、、、、、、、
んー
やっぱり聞いてみようか
隣の人に

でも
唐突すぎるよね。

でも
でも
明日やっぱり聞いてみよう。
でも明日は日曜日
何気なく会えるのかな
外で
づーと待っていると
それって
ストカーだよね。

やばいはこれは、、」
と悩んでしまいました。


益雄は
聞くか聞かないか
悩んでいました。

でもわからないことが
頭の中でいっぱいになり
整理がつかなくなると
益雄の
常識は
世間の非常識になっていました。

そこで
隣人の
蛍子に聞くことになったのです。

益雄は
ドアの近くに
椅子と机それに
パソコンと鉄道模型を持ってきて
隣をうかがうように
待っていたのです。

小道具の
ジャガイモとトマトも
買い物袋に入れて
横に置いておきました。

蛍子は
日曜日は
普通何もせず
部屋の外に出ることは
まずないのですが
その日に限って
友達からの誘いで
出かけることになってしまいました。


蛍子は
身支度をして
ドアを開けた瞬間
益雄は待ちくたびれて
少しウトウトしていましたが
「がばっ」と飛び起き
買い物袋を持って
ドアを開けました。

益雄:
おはようございます。
これもらって下さいませんか。
田舎から
たくさん送ってきたので
食べきれないから
もらって下さい。

(蛍子は
「えっ 何
何なの」と思いつつ
笑顔で)

蛍子:
おはようございます。
良いんですか
こんなにたくさん

益雄:
うちには八百屋ができる程ありますから、、
相談にのって頂いたお礼です。

蛍子:
相談と言う程のこともありませんでしたわ

益雄:
それが何ですけど
行くところが決まったんです。
それで
どんな服が良いかなと思って

蛍子:
そうなんですか
どちらですか

益雄:
ご存じないと思いますが
京都にある
博物館なんです。

蛍子:
博物館?
少し堅いところですね。

益雄:
堅いところではないと思います。
割と遊べるところですよ
博物館でなくて
交通博物館かな

蛍子:
京都に交通博物館?
そんなのありましたっけ?
益雄に
かわったことを尋ねられて
少し驚いていた蛍子でした。

益雄の話は続きます。

益雄:
機関車がたくさん置いてある
所なんです。

ふたりの趣味がそれだから

その言葉を聞いて
蛍子は
はっと
気が付きました。
全身に電流が流れるような感じでした。

「○○○さんは
隣の人なんだ

何でそんなこと気が付かなかったんだろう。
○○○さんは
私が
lofteenだとは知らないから
こんなこと聞いてくるんだ。

えー
どうしよう」と考えつつ
ボーと
益雄を眺めて
時間が過ぎました。

益雄は
蛍子が
一瞬黙っているので
考えてくれているのだろうと思っていました。

しばらく時間が経った後

益雄:
どんな服が良いでしょうか

その言葉に我に返った
蛍子は

蛍子:
そうですね
やっぱり動きやすいような
服装が良いんじゃないですか。
お互いに鉄道が好きなら
動き回るんだろうし、、、

蛍子は
自分の願望を混ぜて
言ってしまいました。

益雄:
そうですよね
やっぱり動きやすい方が良いですよね。
どんな色が良いでしょうか

蛍子:
色は
秋らしい色が良いんじゃありませんか。
例えば紅葉の色とか
あまり鮮やかなのは合わないともいます。
ベージュなんかどうでしょう。

上下はグラデーションのカラーが良いと思いますよ。

益雄:
ありがとうございます。
そうですね
私そんな色の服を持っていないので
その日までに買ってきます。

蛍子:
楽しみですね

益雄:
楽しみにしているんです。
ありがとうございました。
足を止めさせて
すみませんでした。

益雄は頭を下げて
野菜の入った袋を
差し出しました。

蛍子は
「ありがとうございます。」と言って
受け取りました。

 
袋を渡した益雄は
後ろを振り返って
部屋に帰っていきました。
後ろ姿が
何か楽しそうです。

袋を持ったまま
蛍子は見送りました。



呆然と
益雄を見送ってしばらくその場に
立っていた蛍子でしたが、
我に返りました。

袋を持って
友達の所に行けないので
ひとまず家に帰りました。

でも頭の中が
こんがらがって
友達に会いにいけなくなっていました。

そこで
急用ができたので
行けないと友達に
電話しました。

蛍子は
服を着替えたも
意識せずにしてしまいました。

椅子に座って
宙を見るように
パソコンを見ました。

「○○○さんは
隣の男の人

隣りの男の人が
今度秋に会う
○○○さん

○○○さんは
隣の男の人

、、、、、、、、、
、、、


隣の男の人って
名前を何というのかしら、、
私が引っ越してきたとき
挨拶に行ったとき
名前を私に言ったような気がするけど
覚えていないわ。

郵便受けの名札でも見に行ってみよう」と
蛍子は
外の郵便受けの所まで
出て行きました。

「私の
こっち隣だから
えー
『益雄』

益雄さんなの
そんな名前だったの

知らなかったわ。

でもそんなことわかってどうしましょう。

初めて会うはずの
人が
隣同士だったら
どうなの

それに
○○○さん
いや益雄さんだっけ
私に着ていく服を聞いてきたし
あれは私をまったく意識していないからじゃないかしら、

あっ
そうだわ
昨日会ったときは
お化粧もしていない
顔で会っていたわよね。

私って
眼中にないんだ。

、、、、、、、
、、、

でもまだ気が付いていないんだから
会うときまでは
気が付かないふりをしておこうかしら。
会ったときも
まったく知らないふりをしたら
良いんじゃないかしら、、

そうよね
それが良いわ
そうしましょう」と
考え直して
立ち直ってしまいました。

蛍子は
自分でも立ち直りが早いのに
びっくりしました。

蛍子は
○○○さんこと
益雄に会う秋のために
せっせと
ダイエットに励んでいました。

その夏は暑かったせいもあって
サウナ効果が発揮できたのか
目標の7kgをゆうに達成しました。

「私ってプロポーション良いよね。
出るところは出ているし
へっこんでいるところも
少しはへっこんでいるし

えへ

これなら
私が
lofteenでも
益雄さんはがっかりしないと思うよ

なーんて
余裕で言ってみたけど
本当にこれで良いのかしら、
、、、
もう少し
痩せている方が良いかしら、、
でもね
すべての男性が
痩せているのが良いとは限らないし
一度リサーチしてみるかしら

うふ

益雄さんみたいに
隣の人に聞いてみる
と言う手はないだろうしね

やっぱり
どうしましょう
、、、、、、
、、、、、
、、、、、」
とそんなことを考えると
鏡を見ながら
急に不安になってきた
蛍子でした。

太っていた方が良いのか
あと一ヶ月の間に
もっと痩せた方が良いのか
考えあぐねる
時間を過ごしました。

そして夕方
蛍子は
結論を
導き出しました。

「明日は
会社を休んで
一度
益雄さんのあとをついていきましょう。
そうすれば
何かわかることがあるかもしれないわ

一生のことだし
仕事ごときではないわ」
と言う結論になったのです。

蛍子は
変装しました。

ありきたりの
サングラスにマスク・帽子では
ただの不審者ですので
ここは
男性に変身することにしました。

会社の慰安会の時に
男性に変身したことがあったのです。

蛍子は
翌朝は早起きして
食事を急ぎ摂った後
長い髪の毛を上で束ねて
刈り上げのようにします。

お腹に
タオルを巻いて
ビール腹のようにしました。

タックのついた少し大きめのズボンをはいて
それから
カッターシャツを着て
スーツを着込みました。

顔を日焼けしたようにするため
濃いめのファンデーションを塗って
眉毛も
太く描きました。

蛍子は
男装の麗人ではなく
どこから見ても
男性に見えるようになりました。


こんな格好で
いきなり外に出て
誰かと会ったら
私の家に
早朝男性が出て行ったというような
噂が立つといけないので
そーと ドアを開けて
誰にも見られないように
気をつけながら
出かけていきました。


アパートの出口が見えるところに
立って
益雄が
出てくるのを待ちました。

益雄がいつもで掛ける時間まで
だいぶあったのと
まだまだ暑い日が続いていたので
蛍子は
腹に巻いたタオルのせいもあって
暑くてたまりませんでしたが
我慢していました。

小一時間経ったとき
いつもの決まったとおりに
益雄は会社に向かいました。


蛍子は
「おう
益雄さんが出てきたわ
いつものように駅に向かうのよね。

早足ね
会社に間に合わないのかしら、、、

あー
しんどいわ

、、、、、、、
、
汗が出るよね

駅に
ついたら
どこまでのるのだろう
わからないわ

定期を入れたわ

私も

大阪方面ね

電車が着たわ
急がなきゃ

あー前に乗るのね
あ混んでいる前に乗るなんて、

えいと
ドッコイショ

確か大阪じゃないかしら
大阪の鉄道模型のお店で出会ったくらいだから、
どうじゃないの

神崎川を過ぎたわ
十三ね
えっ 降りるみたい
『私降ります』
(乗客が
女性の声に驚いたように
変装した
蛍子を見ます)
えっ
私を見ないで

あ
恥ずかしいけど
益雄さんには
勘づかれていないみたい

十三の南の方ね

商店街を通って
このお店は
おはぎで有名なお店よね
帰りに買って帰りましょう。

そんなこと考えている場合じゃないわ
信号を急いで渡らないと
赤になっちゃうわ

どこまで行くのよ
十三筋ね
どこまで行くの

付いて行くの大変だわ

あっ
入っていくわ
え
大きな薬品会社はないの
社員証がないと
入れないわ
どうしましょう

あ
益雄が消えてしまったわ

残念だわ
勤め先はわかったけど
リサーチは無理よね
帰りを待とうかしら

でも
益雄さんは不規則に
お部屋に帰ってくるんだから
いつ帰るかわからないよね

とりあえず
あそこのファミレスに入りましょう
「エアコンが効いていて
気持ちが良い

お腹にタオル巻いているから
暑いんだわ
お化粧というか
変装メイクが
崩れてしまうよ

そんなこととは別に
これからどうしましょう。

ここで
益雄さんが出てくるのを待ちましょうか

それよりも何か注文しないと
まずいよね。

朝食べてこなかったら良かった

お腹いっぱいじゃないの
太るでしょう。

仕方ないから
わかめスープでも
注文しようかしら、、

でも
日本人は
海草を消化吸収することができるらしくて
カロリーを摂りすぎることにならないかしら、、、

そんなことどうでも良いよね
わかめスープに
海草サラダでも
食べよう」
と独り言をいって
注文しました。

それから
何度も
カロリーの低いものを
注文して
何時間も
その店にねばっていた蛍子は
お腹がぱんぱんになってしまって
「これじゃタオル巻かなくても
いいじゃん」と思いました。

夜7時を過ぎた頃
益雄は
会社から出てきました。

蛍子は慌てて
勘定を払って
店を出て
益雄を追いかけました。

外は夜というのに
むっと暑くて
今まで涼しいところにいた
蛍子は汗が噴き出しました。

駆け足になって
もっと汗が出た蛍子でした。

益雄は
家に帰るとは反対の方向の
電車に乗りました。

蛍子も後を追って
電車に乗りました。

おじさんに変装していた
蛍子は
汗がいっぱい出て
付近の乗客が
不審の目で見られてしまいました。


他の乗客が
上目遣いに
蛍子を不審な目で見ました。

蛍子は
目を合わせないように
宙を見ながら
益雄の方を
監視していました。

益雄は
終点の大阪梅田まで
乗っていました。

益雄は
改札を出ると
南の方に向かいました。

地下街を通って
大阪駅前ビルに
行っていました。

「益雄さんたら
ひょっとして
鉄道模型屋さんへ行くの

それとも何かあるの
例えば
デートとか

見失わないように
付いて行かなきゃ

あー こちらの方ね
こちらは
鉄道模型屋さんじゃないの

あやっぱり
ここよね」と
鉄道模型屋さんの前まで
付いてきました。

益雄に気づかれないように
遠くの方から見ていました。

益雄は
例によって
例のごとく
熱心に模型を見ていたのです。

「益雄さんは
やっぱり模型は好きよね。

あっ
最近出たばかりの
模型を見ている

そうだよね

好きだものね

益雄さんの好きなものは
やっぱり鉄道よね

服なんかには興味がないみたい。

初めての出会いの時の服なんか
どうでも
良いかもしれないね。

やっぱ
鉄道よね

鉄道のTシャツでも着ていったらいいのかな
ちょっと極端かしら、、、

あっ
えー
益雄さんが
女性と話してる。
誰なのよ
どんな話しているの」と
驚いて
益雄の後ろから近づいていきました。
ハラハラどきどきしながら
益雄の後ろに
近づきます。

益雄と女性は
笑顔で
話しているようです。

「もっと近づかないと
聞こえないよ

何の話をしているの
彼女なの

あの人の衣装って参考になるかしら

いやそれ以前の問題よね
何を話しているんだろう

もうちょっと近づいてみよう

あまり近づくと
バレてしまうかも

えっ
模型の話をしてるじゃないの
鉄道仲間なの
そうよね
こんな所で話すのは
模型の話に決まっているよね。

あー
そうか
最近出たばかりの
模型の話ね
私にもネットでしていたわ

益雄さんも好きよね。
でも彼女は
誰なんだろう
ただの友達か
それとも
深い友達か

そんな事わからないよね

模型オタクって
男の人ばかりで
女の人は少ないのよね

やっぱり
益雄さんの彼女かしら

まだ話してる、、、、、
、、

」と益雄と女性を見ながら
模型を見るふりをしながら
付近をウロウロしていたのです。

蛍子は
遠くから見ると
不審者でしたが
お店のみんなは
人間には興味なかったのです。

それからだいぶ経って
益雄と女性は
分かれて
店を出ました。

蛍子は
女性の後を追う事にしました。

地下鉄に女性が乗ったので
変装した蛍子も
電車にあとを追って乗りました。

それから駅を降りて
後をつけました。

気づかれないように
後をつけたつもりでしたが
その女性には
わかっていて
駅を降りて
ちょっと歩いたところで
突然走り始めました。

蛍子は
それを追ったら
不審者になるので
止めました。

変な変装をつけたまま
家にたどり着いたのは
終電近くでした。


家の近くに帰り着いたとき
お部屋に入るのを
誰かに見られないように
注意しながら
入っていきました。

蛍子は
ドアを閉めて
ホッとしました。

でも注意して
入ったつもりなのに
見られていたのです。

それも益雄に見られていたのです。

益雄は
コンビニスイーツを買うために
出かけて
帰ってきたところなのです。

益雄は
隣の蛍子のお部屋に
夜半に男が入って
行くのを見て
「お隣さん
お父さんでも来ているんだ。」と
単純に考えました。

蛍子が
心配していた事は
杞憂になったのです。

そんな益雄の感想を知らずに
朝からの
尾行に疲れ切っていました。

一日中食べていたので
夜ご飯は食べずに
シャワーを浴びて
寝てしまいました。

コンビニから帰ってきた
益雄は
lofteenを探していましたが
見つからないので
がっかりしながら
今日買ってきた
鉄道模型を
走らしながら
時間を費やしていたのです。

模型の走る音だけが
ふたりのお部屋に
流れました。


そんな涙ぐましい日々も過ぎ
季節は
秋になってきました。

ツイッターで知り合ったふたりが
会う日が近づいていました。

その日は
9月の下旬です。

蛍子は
最後のダイエットを
完遂する事になります。

その結果
蛍子は
見違える程ほっそりしたのです。

職場のみんなからも
その急変ぶりを
指摘され
「何か恋しているでしょう」と
冷やかされる日々です。

益雄でさえ
朝に会う隣人が
少し変わってきたと
思っていたのです。

一方益雄は
いろんなメンズショップを回って
合う服を
探していました。

ベージュ色のカジュアルなシャツと
ジャケット・パンツを組み合わせてみました。

それらは
少しグラデーションを付けるように
色を変えました。
もちろんシューズも
色目を合わしました。

これで万全と思っていたのです。

その日は
日曜日ですが
ふたりとも早く起きます。

蛍子は
食事をして
用を足し
入念にお化粧です。

ファンデーションを
薄くだけど
入念に塗って
目鼻立ちを際立たせる
パッチリ化粧を
しました。


それから服は
ベージュのフレアスカートに
フリルのついた
ジャケットを重ねて
着ました。

それから一番注意しながら
家を出て行きました。

出かけに
益雄と出会わないためです。
益雄と会わないように
出かけたつもりでしたが
それは無駄でした。

蛍子が出かけてから
1分も経たないうちに
益雄も出かけました。

lofteenに渡すつもりの
大きな紙袋に入った
模型鉄道用に
レールを持っていました。

益雄は
大きな荷物を持っていたけど
早足で
駅に向かいました。

コンビニの近くまで来たとき
益雄は
蛍子を
追い抜かすところまで
来ていました。

「隣の人だ。

今日は可愛い服を着ているよね。
あっ
そんな事を考えている場合ではない
コンビニで
ポケットティッシュを買わないと

、、、、

確かポケットティッシュはこちらの棚かな

有った有った
この小さい包みで良いよね。

これにしよう

このポケットティッシュは
ポケットがついていないんだよね。

ポケットティッシュというのは
袋に宣伝用のポケットがついているから
ポケットティッシュと言うんだから
ポケットのついていない
ポケットティッシュはポケットティッシュではないんだよね。

、、、、

あっ
こんな事考えたら
いけないんだった
そんなつまらない講釈を
言ったら
女性に嫌われるよね

やばいやばい

今日は無口でいこうか

でも無口は
どうかな
それもダメだよね

女性と話した事がないから
わからないよ

どうしたらいいのだろうね。」
と
lofteenと会ったときの
どのような話をすればいいか
考えながら
駅に着きました。

コンビニに寄ったので
蛍子より
ひと電車遅れて
京都に向かいました。
蛍子は電車を乗り継いで
梅小路蒸気機関車館に着きました。

入り口待ち合わせになっていました。
まだ約束の時間まで1時間もあります。

『早く来てしまったわ。
まだ一時間もあるんじゃない。

何もないこんな所で
一時間も待っているの
駅まで帰って喫茶店で時間をつぶそうかしら、、

いやまって
益雄さんは相当
几帳面だから
きっと早く来るに決まってるは
もうすぐ来るんじゃない

ところで
どんな風に挨拶したらいいの
私は知っているけど
益雄さんは
lofteenを隣人の私だと知らないんじゃないの。
きっとびっくりするよね。

落胆するかもしれないね」と
少し心配になりながら
待っていました。

そのころ
益雄は
待ち合わせ場所の近くまでやって来ました。

「あー
まだまだ時間があるけど
もう来ているかな

赤いバッグを持っているという約束だけど

待ち合わせの場所は
入り口と言う事だけど

あっ
赤いバッグ
あの人かな
でも
あの人
隣の人じゃないの
他にはいないけど

まだ一時間もあるから
来ていないのかな」と考えつつ
入り口に近づいていく
益雄でした。

それに気が付いた
蛍子は
益雄の方へ
早足で近づいてきました。

蛍子:
おはようございます。

益雄:
おはようございます。
今日は機関車を見に来られたんですか。

蛍子:
そうです。
私
lofteenなんです。

益雄:
えっ、、、
○×△、、、
、、、、
そうなんですか。

蛍子:
私
はじめは
○○○さんが益雄さんという事知りませんでした。
でも
益雄さん
私に
相談したでしょう。
服の色をどんなものにしたらいいか
聞いたでしょう
その時わかったんです。

益雄:
そうなんですか。
恥ずかしい
聞く人がいなかったから、、
lofteenさんが
隣の人だと知りませんでした。

蛍子:
そうですよね。
私も本当にわかりませんでした。

ツイッターで知り合った日の翌日に
大阪の模型店で見かけたのに
全然気が付きませんでした。

益雄:
そうなんですか。

蛍子:
それから
私 益雄さんに謝らなければなりません。

ごめんなさい
私 嘘をついていました

親と住んでいません。
それに
10代ではありません。

はじめに何となくそうなって
そう言ってしまったんです。

ごめんなさい。

益雄:
そうなんですか。
別に親と同居していなくても良いんじゃないですか。
lofteenさんは若いでしょう。
あっ
失礼ですが
私 lofteenさんの名前知りません。
引っ越してこられたときに
名前を言われたと思いますが
記憶にありません。

蛍子:
名前は、蛍子です。
蛍の子と書くんです。
父が光った人間になれと
付けてくれたんですが
光るような事はしていません。

益雄:
蛍子さん
良い名前ですね

ふたりは入り口で
話していました。

横を
機関車館に入る人が
大勢通り過ぎました。

益雄は
入場券を買って
入りました。

益雄は
何度も来ているので
よく知っていました。
機関車が並んでいるゾーンに
蛍子を連れて行きました。

そこに着くと
益雄の独壇場となります。

もうそうなると
止まりません。

蛍子も
そんな益雄がわかっていて
「はいはい」と聞いていました。

蛍子は
聞き上手になっていたのです。

一通り
益雄の話が終わったのは
昼頃になった頃です。

益雄は
話疲れて
休憩もかねて
昼食をレストランで
摂る事になります。

いつも行っている
食堂で
高級飲食店というものからは
かけ離れたところでした。

蛍子は
「はい」といって付いて行っていました。

食堂に着くと
店員の案内した禁煙席に
ふたりは座ります。

益雄:
疲れましたか
私ばかり話していたんで
すみませんでした。

蛍子:
そんな事ありません。
ツイッターと同じですよね

益雄:
そうですか
蛍子さんの方は
lofteenさんと違うように思いますが
いや、
あまり言わないという所で
違うように思いますが

蛍子:
ツイッターは
何となく書き込まないといけないかなと思って
書いているんです
相づちだけでは
ダメかな
と思って

益雄:
そうだったんですか。
蛍子さんは
聞き上手だから
つまらない事ばかり話しているのに
ごめんなさいね

蛍子:
謝ってもらわなくても
私話題がなくてすみません。
益雄さんって
鉄道の話をしているときは
すごいんですもの
益雄さんお仕事は
大変みたいですよね
いつも遅いみたいだし

益雄:
仕事は
忙しいです。
ツイッターでも言っていたように
いろんなトラブルが起きるもんだから
、、、
蛍子さんのお仕事は?

蛍子:
私の仕事ですよね。
最初に言ったように
すみません。
アーティストじゃないの
単なる退屈な事務員なの
いや事務員だったの
でも
ツイッターで
○○○さんと出会ってから
少しは仕事をする事務員になったんです。

益雄:
事務員さんって大変でしょう。
会社の縁の下の力持ちという存在ですもの

蛍子:
会社のみんなが
そんな風に
思ってもらえたら
良いですよね。

そんな話をしながら
時間が過ぎ
ふたりは帰る事になります。
今度は
同じ電車で
アパートまで
帰ってきました。


蛍子の部屋まで着いたとき
益雄は
紙袋を
蛍子に渡そうとします。

益雄:
これ君に渡そうと思って
鉄道模型のレールなんだ。
前に
余っているレールを上げると言っていたでしょう。

蛍子:
ありがとうございます。
重い紙袋には
何が入っているのかと
思っていたんです。
もらって良いですか

益雄:
もちろんです
これは
こんな風に
組み立てるの
私の部屋と同じロフトがあるから
このセットでも充分に
敷く事ができる
と思うよ

蛍子:
難しそうね
私機械に弱いの
他のものにも弱いけど
組み立てて下さらないかしら

益雄:
良いですか
お部屋に入って

蛍子:
どうぞ

そう言いながら
ドアの鍵を開けながら
益雄を
案内しました。

益雄:
当たり前だけど
ボクの部屋と同じですね
クロスの柄が
少し違うけど

蛍子:
このクロスは
私が入るときに
家主さんが貼り替えてくれたの

益雄:
いいな
ボクの時には
そんな事しなかったのに
ロフトに組みましょうか


蛍子:
ちょっとだけ待って下さい。
かたづけますので

そう言って
慌てて
蛍子は上に上がって
問題がないかもう一度
確認しました。

蛍子:
どうぞ上がって下さい

益雄:
ここに組み立てましょうか。
曲線が良いですよね。
こんな風に回って
そしてここに
、、、

それから

益雄は楽しいそうに
線路を組み立て始めました。
蛍子は
お茶とお菓子を用意して
ロフトに上がると
益雄は
まだ熱心に組み立てていました。

それを見て
蛍子は
「こんな生活も
良いわね」と思いつつ
天窓を開けると
六甲に夕日が沈み始めていました。

ロフトって
いろんな事に役立つと
思いました。








これで
一応
ロフトダイエット終わります。





「ロフトダイエット」如何でしたでしょうか
ロフトダイエットに出てきた
痩身は
フックションですが

夏の暑さを利用した
痩身は
使えるかもしれませんよね。

でも
熱射病だけには
ご注意下さい。

ロフトって
そんな利用じゃなくて
本当にいろんな事で使えるんです。

益雄が使っていた
趣味の域では
独壇場ではないでしょうか。

でも
皆様の中には
ロフトをネガティブに
狭い・低い・暗いと思っておられる方が多いと思いますが
そんなの本来のロフトじゃなくて
ただの棚・荷物置き場です。

やっぱりロフトは
広くて高くて明るくなくちゃいけません。

皆様に「ロフトは良いわ」
と思って頂けるロフトを作っていきたいと思います。

            著者敬白