ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

アスカル帰還せよ その33

始めて火星に降り立つ
生物になるのですが
サリナさんは
「僕が一番」と言って
さっさと
扉を開けて
下りてしまいました。

外の様子が
よく調べてからでないと
下り立たないと
言ったのに
ほんの一瞬の隙に下りてしまいました。

サリナさんは、
ビデオを持って
火星を写したり、
自分と火星を撮ったりと
そこら辺りを
走り回っていました。

私は
無線で
「くれぐれも
着陸ユニットが見えなくなるまで
遠くに行かないように言いました。

火星には道しるべもありませんし
こんな所で迷い子になったら
もうどうしようもないのです

私は
決められた仕事を
していました。

まず測量と観測をする
ユニットを据え付け
それから
地表のサンプルを取って
それから
出来る限り
火星を掘って
深いところのサンプルを
取るのです。

火星は意外と柔らかくて
直ぐに
機械で掘れる
最も深いところまで掘れてしまいました。

サンプルを
帰還ユニット内に
仕舞ってしまうまで
そう長い時間を要しませんでした。


仕事が終わったので
サリナさんを
探しましたが
サリナさんがいません。

慌てて無線で
呼びかけると
サリナさんは
「無線が圏外でないところまで
来ている」
と言うのです。

アスカル:
もう帰る時間だから
帰らないといけないけど
帰還ユニットは
見えますか

サリナ:
帰還ユニットなんか見えないわ
僕を
無線で誘導して

アスカル:
何を言っているんですか
サリナさん
あなたのいる場所が
こちらから
わからないのに
どんな風にして誘導するんですか。

サリナ:
えっ
僕は迷い子
それなら早く言ってよ
早く帰らないと

アスカル:
ダメですよ
あてどもなく歩いたら
そこにじっとしていて下さい。
もっと遠くに行ってしまうかもしれませんよ。

火星の迷い子になってしまった
サリナさんを
どのように見つけようか迷いました。