ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「冴子の人生は」その64

足が
自然に向かったその方向には
冴子の前住んでいた家でした。

二十数分歩いていましたが
冴子は
その記憶があとになっても
ありません。

夢中になって
歩いて行きました。

冴子は
その家が見えた時
驚きました。

バルコニーに
見られない女性が
洗濯物が
干していたのです。

冴子は
登が新しい女性と
結婚したのかと
思いました。

でも
ズーッと
若い人でしたし
登の
奥さんとは
似つかないような人だったのです。

門の前まで着いた時
わかりました。

表札が
河本でなかったのです。

家は
新しい人が
住んでいたのです。

詳しく調べたわけではありませんが
たぶん
冴子が家を出た翌日に
離婚届が出されて
登と子供は
実家に戻ったのでしょう。

不要になった
家は
売却されたのでしょう。

冴子が
いたすべての証拠をなくしたかったのではないかと
推量しました。

冴子は
そんなに
憎まれていたのかと
今更ながら
思いました。

でも
自分がしたことですので
どうしようもありませんでした。