ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「冴子の人生は」その69

冴子は
勇治が買うという
パン屋について
冴子の勤めている
不動産屋の
社長に聞いてみました。

社長は
その物件は
よく知っていました。

物件の内容は
別に問題なく
値段も相場より
少し安い目で
銀行のローンが
使えると
言うのです。

勇治が
そのパン屋さんを買えることは
わかったのですが
冴子には
何か不安がありました。

勇治の
パン職人としての
能力は
相当なものだと
思うのですが
今
その店で
パン屋をすることに
何か不安があるのです。

何が不安か
具体的に
あるわけでもないのですが
不安なんです。

大きな借金をして
そして
商売で
返済していくというのです。

勇治ひとりでは
パン屋はできませんので
冴子も
不動産屋を辞めて
手伝わないといけません。

そのぶん
冴子のお給料は
なくなりますし
勇治のお給料も
なくなって
収入は
新しくやる
パン屋さんの
売り上げだけです。

決まって入ってくる
収入がなくなった上
大きな借金を背負うのですから
不安があっても
不思議はないのですが
冴子は
そんな不安ではなかったと
あとから思い出して
考えたこともありました。

そんな不安なことを
勇治に言いましたが
一笑に付されてしまいました。