ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

クリスマス企画「もうひとつの冴子の人生 パート2」その10

一流になったと
感じたのは
本当ですが
実際は
お客によって
違います。

冴子に
明らかに興味を
持っている
男性に対しては
冴子は
苦手みたいです。

冷やかし半分で
からかってくる
人たちには
うまく受け流すのですが
この男性には
うまくいきません。

言い寄るわけでもなく
そうかと言って
離れないわけでもない
そんな人だったのです。

男性は
川上というのです。

川上は
50歳過ぎても
独身の
公務員でした。

公務員と言っても
警察官とか
消防署員とかいうような
堅い職でもなく
現業の
職でもなく
区役所の
窓口係です。

一日
市民のひとから
いろんな要望や
不満を聞く係です。

仕事を終えると
話す力もなくなるよな
「過酷」な職場でした。

そんな
心をいやしてくれるのが
スナックだったんです。

独身ですので
家に帰っても
ひとりっきりだったので
帰りたくなかったのかもしれません。

冴子も
川上も
独身ですので
以前の
冴子のように
不倫ではないので
隠す必要もありませんが
川上は
とても
控えめです。

冴子は
勇治のことを
いまでも愛していて
そんな気分になれないと
自分でも
思っていました。

そして
お客さんに聞かれた時も
そのように
答えていました。

川上さんには
聞かれたことがないので
答えていませんが
きっと
ながく通ってきていたので
知っていたかもしれません。