ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

クリスマス企画「もうひとつの冴子の人生 パート2」その11

そんな川上さんは
毎日通ってきて
4ヶ月あまり
外は
寒く
クリスマスツリーが
街かどにできた
12月の始
いつものより
少しだけ早く店に来ました。

おきまりのところに
座って
いつもの
ビールと
夕食のパスタと唐揚げを
注文しました。

冴子は
パスタを
作り始めます。

それを
カウンターの席で
川上さんは
見ていました。

慣れていて
手際よかったので
ママも
任せていました。

皿に
綺麗に盛り付けて
川上さんの前に
出しました。

ビールは
ちょっとだけ飲んで
冴子に
「今度
神戸の
ルミナリエ
見に行かない」
と言いました。

冴子は
笑って
黙っていると
「ルミナリエは
震災でなくなった人を
追悼するために
始まるそうです。

亡くなった人を
追悼する意味でも
私は行きたいのです。

冴子さんも
行きましょう。」と
物静かに
ゆっくりと
言いました。

冴子は
ニュースでは
見て知っていましたが
華々しく見える
そんな
ルミナリエに
行きたくはありませんでした。

でも
あらためて
「追悼」という言葉を聞くと
やっぱり行かなくては
と言う気持ちになってしまいました。

冴子は
「そうですね。

行った方が
いいかもしれませんね。」と
小声で
答えました。