冴子は 川上さんと 深い関係になっても 結婚にはためらっていました。 子供たちのことを考えると 結婚はできませんでした。 川上さんもそのことは わかっていて あまり言いませんでした。 そんな月日が進んで 正月が過ぎ まだまだ寒い頃 娘から 会いたいと 連絡がありました。 日曜日のお昼に会うと 娘は 背の高い男性とともに現れました。 春に結婚するそうで 冴子に会わしたいと 言うことです。 冴子は 本当に良かったと 思いました。 冴子の 駆け落ちが 娘にとって 結婚の障害となっているのではないかと 思っていたからです。 何度も 娘を 祝福しました。 そんな中 娘は 「お母さんも 幸せになって下さい。 お父さんも 夏以来 吹っ切れたのか 楽しく過ごしています。 そう 弟も 恋人が できたっていっていました。」と 言ってくれました 冴子は みんなが 幸せになって 心が 楽になりました。 駆け落ちした あの 事件が 原因で 不幸せになる人が いなくなることを 心から 願っていました。 娘の結婚で 一歩進めたような気がしました。 それから 数年経って 21世紀になった日 冴子は 3度目の結婚をしました。 44歳の おばさんでしたが 川上さんが 初婚であったので 川上さんの 家族や親戚 のてまえ 立派な結婚式が 行われました。 冴子の 兄と弟も そして ふたりの子供も 来てくれました。 またこんな晴れの舞台が 来るとは 思いませんでした。 登さんと結婚した時は 盛大な結婚式でした。 勇治さんとは 結婚式というのものは していませんでした。 3度目は 慎みやかですが すばらしい 結婚式で 心から 祝福されているように 冴子は感じました。 最後まで いい結婚式でした。