ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「冴子の人生は」その126

幹事さんの
迫力に負けて
承諾したけれど
あまり神戸には
行きたくありません。

ボランティアで
神戸に行くことには
抵抗がありませんが
観光で
それも
「デート」で
神戸に行くなど
あとで考えると
もってのほかと
思ってしまいました。

約束したことなので
その日になると
お化粧をして
待ち合わせの場所に
行きました。

幹事は
明るいお昼間に見るのは
初めてです。

人の良さそうな
ちょっとイケメンの
おじさんでした。

心の中で
「やはり
勇治さんの方が
パリッとしていて
いいよね

なんとなく
不良ぽいところが
勇治さんは
良かった」と
思いだしました。

そんなことを考えながら
高校生の
学生証を見せて
美術館に入ろうとしました。

係員は
学生証を
しげしげと見て
聞きました。

「失礼ですが
学生証は
どのようにして
手に入れたのですか」と
聞かれて
幹事は
「夜間高校に行く仲間です」と
答えて
通してもらいました。

こんなことがあって
ふたりは
顔を見合わせて
笑ってしまいました。