ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「冴子の人生は」その133

冴子の
この答えは
退路を断つ背水の決断です。

幹事にこれ以上
近づいてくれないように
強く
釘を刺して
しまいました。

あとで考えると
なぜあのような判断をしたのか
わかりません。

ひとつでに聞いた話では
幹事は
どこかの
社長さんで
どういう訳か
独り身だそうです。

羽振りもよく
独身の
女性の
憧れの的です。

でも
深い仲になる
資格は
ないと思いました。

「私には
勇治さんだけで
もう充分」と
心に言い聞かせて
その場を終わらせました。

それから
そんなことは
何にもなく
人生の最期を
迎えることに
なるのです。




冴子が
キャベツ工場の正社員になってから
10年あまりが経ち
2008年になりました。


冴子は
58才
もうすぐ
還暦になっていました。

キャベツ工場も
少しずつですが
大きくなって
冴子は
会社のパソコンも
慣れたもので
部下も
パートさんが
ふたり付いてくれていました。

特に若い方の
パートさんは
優秀で
ほとんど任せられる
技量を持つまでになっていました。

そんな中
食品を扱う
会社を
震撼させる
事件が起きました。