ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「超幸運な男」その6

帰って来た勇治は
別に
勝を可愛がるでもなく
世話をしていた
千代やけいに礼を言うでもなく
単に
いつのように
食事をして
寝ていました。

勇治は
小学校を出て
すぐに
左官の修行をしたことがあって
戦後の
復興期には
左官としての
仕事が
あって
金には
困らなかったようです。

しかし
仕事でえたお金は
酒や賭け事で
パート使う有様でした。

年末になって
勝の母親も
同じように帰って来ました。

狭い納屋では
暮らせないので
もともと住んでいたところの
近くに
家を借りて
住むことになりました。

千代や
けいは
移り住むことは
出来なかったので
勝兄弟だけが
新しい家に引っ越ししました。

実の親と住み始めた勝は
既に
国民学校を卒業して
疎開先の
近くの店で
下働きを
していました。

新しい家に移ると
父親の
勇治の
手伝いのようなことをしたり
同じ仲間の
大工の手伝いのようなことを
していました。

妹は
まだまだ小さいのに
学校から帰ると
家の掃除や洗濯料理などを
母親にさせられていました。

頻繁に
ふたりは
連れ添って
遊びに出かけることが
多く
家には
ほとんどいませんでした。

父親は
気分屋で
機嫌が悪いと
何もないのに
勝や妹に
当たり散らしました。

そんな
父親が
嫌いでした。