ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「超幸運な男」その10

とにかく飽き性の
ひとつところに
永く居られない性格は
死ぬまで続くのです。

店を辞めてから
運送会社の助手として
勤めました。

当時のトラックは
ふたり乗務が義務づけられており
助手として乗務しながら
運転を
習っていました。

これから先
いろんな職業に就く
勝ですが
資格を得たのは
運転免許だけです。

大型免許を
いくつもの
運送会社を
渡り歩いている間に
取得したのです。

その運送会社は
6ヶ月で
辞めました。

積み卸しが
しんどかったのが
主な原因ですが
付いていた
運転手が
気にくわなかったのも
あります。

そんな理由で
次の仕事は
丘の仕事でなくて
海の仕事となります。

西宮の港の
引き船に乗りました。

はしけを引いたり
おおきな船の
入港を手助けしたりするのが
仕事です。

勝は
歌手の田端良夫のファンで
マドロスに憧れていたのです。

そこで
船乗りの
求人を見て
応募したのです。

口がうまいので
うまく就職できたのですが
外国へは
もちろん行きませんし
港から
外に出ることさえ
しません。

狭い西宮の
港を
ウロウロするだけの航海です。

外国に行けると思っていたので
勝はがっかりです。