ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「超幸運な男」その57

勝は
家を飛び出し
車に乗ろうと思いましたが
勝の前の家が
倒壊していて
車がださません。

懐中電灯を頼りに
走って
喫茶店に行こうとしました。

酒蔵の横を通り過ぎ
車が渋滞している
国道四三号線を越えました。

真っ暗で何も
見えません。

国道二号線は
凄い渋滞ですが
車が少しずつ動いています。

信号が消えているので
陸橋を越えて
喫茶店に向かいました。

喫茶店の前の道は
がれきで一杯です。

喫茶店についたときには
少し明るくなっていました。

建物が
なくなって
がれきになっていました。

外に
マスターだけが
頭から
血を流しながら
立っていました。

「ふたりが
閉じ込められて」
と話すのが
精一杯というところでした。

勝は
郁恵が
いつもいるお部屋に入ったことがありませんが
2階の窓から
いつも顔を出していたので
わかっていました。

がれきの上から
瓦を手でかき分け
下の木を何とかして取り除き
大声で
「郁恵」と
叫びました。

声が
声が帰って来ました。

郁恵の声でした。

少し場所が違った所から
声がして
そちらを
掘り始めました。

無我夢中でしていると
マスターも
後ろで同じことをしていました。

頭からの血が
顔をつたっていました。