登: 好かれる能力という物が 人間に あるかどうかわかりませんが 少なくとも 美奈子さんは あると思いますよ。 病院のみんなに 好かれているみたいじゃありませんか。 美奈子: 病院のみんなは 私が 外科医だから そんなフリをしているだけ 登: そんな風に思っているんですか 昔 私と会った時 笑顔のアイコンタクトで 頑張っていたじゃないですか 美奈子: そうなんだけど 私には 友達のようには できないんです。 登: もう言ってしまいますが その友達は 薫子さんのことでしょう。 美奈子: やっぱり登さんが 好きな人は 薫子さんだったんですか 登: こんな風に言ったら 美奈子さんには悪いけど 薫子さんは 超人だから 比較しない方が良いのでは 美奈子: 薫子さんは 私にとっては 先生ですので 羨んだりはしていません。 登: そうそう わたしにも 先生です。 美奈子: こんな仕事をしているのに 人と会うことが 苦手なんです。 登: 人と会うことに苦手なのは 私もそうです。 父に代わって 会社を継いだから 仕方がなしに 人と会っていたんです。 でも 私は 愛されていると 思っています。 私の母親や 姉 会社の人や それに 、、、、、、、 薫子さんにも 薫子さんは 私に 笑顔で対応してくれるんです。 少なくとも 嫌いではないと思います。 美奈子: 薫子さんは 本当に超人だから 登君のことも 好きだとは思いますが たぶん つきあいたいとは 絶対思っていないと思いますよ。 登: もちろんそうだと思います。 それでいいんです。 私は好かれていると 思えるだけで 満足なんです。 美奈子さんを 愛している方も 必ずいるし これからも できてくる。 笑顔でいたら きっと そんな人が出てくるから 美奈子: 私も そう思いたいのですが 信じられないのです。 登: 友達のない私が 言うのも何ですか あなたには 薫子さんという 友達もいるではないですか。 美奈子: 薫子は最良の 友達と思います。 そうなんですよね。 でも この話は つづきます。