ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

長編小説「昭和」その22

亀太郎はまだ子供で
幼いのに
働きは
屈強の清左衛門と同じ時間
働かなければなりません。

家族一丸となって
働かなければ
お米はできない
できなければ
家族全員の食い扶持がなくなり
家族全員が
餓死する可能性があるのです。

家長たる清左衛門は
幼い自分の子供に
情けをかけることは
できなかったのです。

それが分かっている
亀太郎は
日々
労働に勤しんでいました。

そして
農業に一番忙しい
田植えがやってきました。

現在なら
8条植えの最新田植機で
サッサと
1町歩の田んぼも
半日で
完了です。

清左衛門は
1町ほどの田んぼを
小作していましたの
半日で終わりです。

(8条植えとは8筋一度に植えながら進んでいく田植機のことです。
1町歩とは江戸時代の広さの単位で
現在の約1h(ヘクタール)で
3000坪 約10000平方メートルです。)

田植機などない
この時代
田植えは
大変な仕事です。

稲の苗の束を
左手で持ち
その中の一本を手にとって
中指に沿わしても
親指で
根を持ちます。

田んぼに
垂直に人指し指から差し込んでいきます。

手を離すと
苗が
田んぼに植わっているといことになります。