ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「スポンジケーキをつくりたい」その5

社長は
料理人で
研究熱心だったのですが
ある調味料を
作り始めました。

醤油とラー油を
混ぜた調味料です。

油と水ですので
普通なら
混ざらないのですが
混ざっている調味料を
作ろうとしているのです。

会社の敷地の隅にあった
昔使っていた
鶏舎が
研究室です。

社長と
一番若い
男子従業員の松井と
ふたりで
やっていました。

出金伝票が
正子のところに
回ってきて
何やら難しい材料が
書いてありました。

最初わからなかったので
その名ばかりの研究室に行って
松井に聞きました。

正子:この出金伝票は
何のためのものですか

松井:研究です。

正子:どのような研究ですか

松井:それは
秘密になっています。

正子:秘密なんですか。
極秘なんですね。
おもしろそうですね。
私も参加したいです。

松井:それは
社長に頼んだら
良いのでは

正子:そんなこと頼めません。
だって私は
おバカですもの

松井:それはないでしょう
大学での
エリートなのに
私なんか高卒ですよ

正子:学歴ではないと思います。
でも
研究がうまく言ったらいいですね
特許になって
会社が
大儲けできたら
私のお給料も
上がるかしら

松井:それは良いですね
担当者の私は
ボーナスが出るかも

そんな話をしていると
社長がやってきて
話は終わって
研究が始まったようです。

その日以来
松井は
正子のところにやって来て
なんだかんだと
話すようになりました。