ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「スポンジケーキをつくりたい」その13

翌日
社長に言われていたので
圧力タンクで作ったホイップクリームと
普通に作ったそれとの
比重を
調べてみました。

予想した通りでした。

そのように
社長に報告すると
弁理士先生に
特許にならないか
尋ねておくように
言われました。

いつものように
メールで
お願いしました。

その日は
それで終わって
翌日は
スポンジケーキを
作ることにしました。

松井も参加して
作ることにしました。

松井は
「普通に
メレンゲを作って
それに小麦粉を混ぜて
圧力タンクに入れて
かき混ぜればいいのでは」
と言ってきました。

正子は
「あなたは
圧力タンクの
力を信じていないのでは
私は
材料すべてをひとつに攪拌槽に入れて
混ぜれば
きっとできると
思います。

遠回りをせずに
最初に
私の案から
しませんこと」と
答えました。

松井は
正子が
すごい自信があるのに
驚きました。

と言うことで
普通では
考えられない方法で
スポンジケーキを
作り始めました。

キッチンエイド
(攪拌機の商品名です)の
攪拌槽に
先ず卵
そして砂糖
それから小麦粉を
加えました。

蓋のネジを
松井がすべて締め付け
加圧空気を入れて
3気圧にしました。

外にある
電源を入れて
中の羽根を
回しました。

外から見ていると
よく混ざっているように見えました。

混ざっていますが
かさ高になったようには
見えませんでした。

念には念をいれて
10分ばかし
かき混ぜました。

中の空気を
バルブを開けて
放出しました。

中を
ふたりが
見ていました。

圧力が下がるにつれて
膨れてきました。

とくに
2気圧を切った
最後の方に
大きくなりました。

スーっという音ともに
圧力計が
1気圧を示しました。

取り出すと
泡だったものは
しっかりしていました。

型に流し込み
焼きはじめました。

焼くと
もう少しだけ
膨れて
スポンジケーキが
焼き上がったのです。

焼き上がったスポンジケーキを
切り分けて
試食しました。

正子は
はじめて作れた
スポンジケーキは
美味しかったのです。