ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「スポンジケーキをつくりたい」その20

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11年4月初旬に
キスワンの伝達装置を
注文するため
株式会社松栄工機に
向かいます。

松栄工機の
部長様が
親切に対応して頂いたので
キスワンが完成したのだと
今になって思います。

ありがとうございました。
株式会社松栄工機は
今は
もっと大きくなって
株式会社プロスパインと
社名もかえております。

小説に帰ります。
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松栄工機は
東北では
有名な企業で
宮城県大崎市にあります。

位置だけで言うと
仙台空港が
近いのですが
地震の関係で
使えませんでした。

正子は
花巻空港に
到着すると
タクシーで
大崎市に向かいます。

高速道路は
工場に近づくにつれて
凸凹になっていました。

インターチェンジを
降りたら
倒れている
家もありました。

タクシーは
ナビで
向かいましたが
渡る橋が
通行止めです。

地震で潰れたようです。

大回りで
迂回して
やっと工場に着いたのは
11時を過ぎていました。

受付で
正子は
挨拶しました。

中から
老練な部長が
出てきて
名刺交換しました。

工場は
とても綺麗で
新しく
その上
整理整頓が行き届いているようでした。

工員さんの
作業着は
毎日かえているのか
洗い立てで
アイロンの跡が見えました。

食品工場の
正子の会社より
綺麗だと思いました。

いつでも
ケーキが
作れそうな
工場だったのです。

工場の片隅の
暖房の効いた
コーナーの
机で
話を始めました。

部長が
真ん中で
若い設計担当者が
3人でした。

既に送ってある
キッチエイドは
分解されていました。

モーター部分と
攪拌羽根の複雑な動きをするユニットです。

そのユニットは
わりと小さくて
こぢんまりしていました。

ユニットは
モーター部分に
ネジで付いていて
ネジを外すと
ユニットは
上のカバーと
外側に歯車がある部分と
中の芯と
歯車の部分に
バラバラになってしまいます。

部長は
非接触型磁気歯車の
見本で
説明しました。

磁石が
交互に付いている
直径10cm位の円盤を
圧力壁を挟んで
回すことになります。

今までに
3mm程度の
ステンレスを
隔てて
回転を伝えたと
部長は
言いました。

正子は
圧力壁は
6mm以上だと
説明すると
部長は
目を輝かせました。

12時の
チャイムが
工場内に
鳴りました。

部長は
近くの
レストランに
誘いましたが
正子は
弁当を持ってきていました。

それを言うと
部長は
展示室のような部屋に案内してくれました。

そこで
弁当を
食べました。

食べ終わって
展示の
非接触型歯車の
実物模型を
見て回りました

よくできていました。

正子は
もともと
機械ものには
興味がありませんでした。

しかし
この
数ヶ月
キスワンを
担当して
機械に興味を持っていました。

取っ手を回すと
いろんなところが
回ったり
上下に移動したり
する模型です。

今までにない
模型に
正子は
少し興奮しました。

部長が入ってきて
説明しました。

部長は
この
非接触型歯車を
考え出したそうで
それを
説明してくれました。

工場の
ことも
いろんな事を
話してくれました。

そんな話を終えて
昼からの打ち合わせになりました。

30分ばかし話した後
「隔壁の
図面を送るので
隔壁を
作ってくれたら
モーターと
回転ユニットを取り付ける」と言うことで
終わりました。

タクシーで
帰る途中
松島によってから
花巻空港まで
帰り
飛行機で
家に帰ったのは
9時頃でした。