ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「順子」その25

二年になると
授業や実習は
より専門的になりました。

順子には
すでに
「既知」のことでしたが
ついてこれない
学生もいました。

順子は
ついてこれない学生に
そっと
ノートを
見せようとしたのですが
それが
大きな問題となってしまいます。

クラスのみんなに知れ渡って
その人が
「やめる」といったのです。

順子は
困りました。

何とか説得して
思いとどめることができたのですが
順子は
医学より人間関係が難しいと
思いました。

コマーシャルは
二年生になって
続いていました。

小学生の服装で
かわいく踊るバージョンです。

テロップで
小さく
「イメージキャラクターの
順子は
現在医学生2年です。」と
出ていたので
だれもが
順子を知っていました。

助手の助手で
病棟に行くと
小さいので
すぐ見つかって
話しかけられることも
まれではありません。

そんなときには
ありったけの笑顔で
「勉強中なので
すみません」と
言っていました。

そのことが
余計に好感を持たれて
いました。

教授のなかには
それが
よくないと
思っていたものもいました。

神聖な大学が
穢れるとまで
思っていた
ある教授が
そのことを
順子に注意したのです。

順子は
心からわびた後
「私が
医師になりたいのです。

コマーシャルに出ないと
私は
医学部に行くことができません。

必ず
医師になって
教授の
ご期待に沿えるような
立派なものに
なりますので
どうか
お許しください」と
言うと
教授は
「わかった」と
言ってくれました。