正弥の考えているところは
「仲良く話したいな」
という言葉につきます。
なぜ話さなくなったとか
なぜ話をすると争いになるかとか
そんな事は
ほとんど考えていませんでした。
悪くないと思うけど
この際
謝って話をはじめようと思っていたとき
知香から
話がありました。
知香:
正弥さん
このごろ
ふたりは会話が無いよね
グサリと
いつもの直球です。
正弥は
何か
また
しかられるのかと思いつつ
ゆっくりと
知香の顔を見ながら
答えました。
正弥:
以前より
話さなくなったとは
感じています。
それは
私が原因?
語尾を上げて
疑問文で答えました。
知香は
その答えに
正弥らしいと思いつつ
知香:
正弥さんが
原因とは違うと思います。
でも
原因を
追求しても
仕方がないとおもいます。
話をしたいか
話をしたくないかが
問題です。
正弥:
そうだね。
知香さんは
いつも正しいことを
おっしゃる
理論的ですよね。
知香:
ごめんね
私の話って
理論的で
面白くないよね
私もそう思うけど
そんな話しかできないの
正弥:
知香さん
理論的だといっているのは
悪いということを言っているのではなく
ほめているんですよ。
知香さんの考えは
いつも正しい
そんな事を言っているのです。
知香:
正弥さんに
ほめていただいて嬉しいわ
でも
行き過ぎは
よろしくないよね
正弥:
そんな事無いんじゃないの
正しいことは
何処までも正しいのだから
押し通すことが
必要じゃないの
知香さんは
いつもしているじゃないか
知香:
えっ
いつも
押し通しているの
ごめんなさい
これからは
注意します。
言ってよね
正弥:
言っているつもりなんですけど
通じていなかったの
知香:
えっ
そうなの
そうなんですか
分かりませんでした。
ごめんなさい
正弥:
こちらこそ
はっきりといわなくて
すみません。
言わなくても
分かっていると
思っているところが
よろしくないですよね。
知香:
そうそう
なんだかんだと
話さないと
分からないことが
多くありますよね