ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの71歳の老人の日記です

ブログ小説「突然30年前に戻った順子の場合」その1

過去に戻ったらと思うことはないでしょうか。
でも、
過去に戻ると
大変なことになると思います。




この話は
すべてフィックションです。

順子(よりこ)は、
「歳をとってしまったわ。
若いときの張りがあったのに
肌がたるんでしまったわ。

そうだシワ取りでもしましょうか。
でもそんなお金ないな
でも今がやっぱり幸せなのかも知れないわ」
と鏡を見ながら
ひとりごとを言ってしまいました。

順子は57歳
駅の中のキオスクに勤めているのですが
同僚の中に
新型インフルエンザが発症した者がいて
自宅待機になって
今日は久しぶりに家にいたのです。

順子は今は
ひとり暮らしです。

朝ご飯を食べて
ゆっくりしていたのです。


その時と同時刻
地球の裏側の
この物語と全く関係ない人物がいました。
この人物は30年前のある時の出来事が
今の不幸の始まりです。
それをかわいそうに思った
天地創造主の神様は
時間を一気に30年さかのぼらして
救ってやろうと思ったのです。

神様は
そんなことを
よくやっているのですが
30年もさかのぼるのは
120年ぶりです。

神様は
30年前のデータ通りに今のこの世界を
作り直すのです。
そのために神様は35ナノ秒かかってしまいました。
それだけでは
記憶がある動植物には不都合を生じますので
同じように30年前の記憶に置き換えます。
しかしこれが神様にとっても意外と大変なんです。
神様によれば
記憶の型は23種類あって21番目の型には
253種類の亜種がそしてその121番目の亜種に
またまた1054の分類があるのです。
これらを違う手順で30年前の記憶に戻すのです。
これをすべて戻すのに
神様としてはすごく時間がかかって
124ナノ秒もかかってしまって
神様は大変疲れてしまいました。

神様が過去に戻すのに要した
159ナノ秒が過ぎて
全世界は
30年前に帰ってしまいました。
1979年の5月の23日になったのです。
全世界の人は
何もなかったように
30年前を受け入れ
同じように時間を過ごしていきました。

そんな中
順子だけは違っていたのです。
順子は神様の記憶の分類で

21番目の型で121番目の亜種で
1054番目だったのです。
記憶の型は7S25P型だったのです。
この型の生物は世界には3個体しかいませんでした。
ひとつは犬でもうひとつはウサギで
そして残りは順子だったのです。
神様は7S25P型の記憶が
特別な型で
全く違う方法で記憶を戻さなければならなかったことを
すっかり忘れていたのです。

そんな理由で
順子だけが
30年間の記憶を持って
30年前の世界に戻ってしまいました。