順子: 野村さんは どの様におっしゃっているんですか。 課長: そのことなんだけどね 野村君は 『順子さんは ぼくより若いのに 何かしっかりしていて ぼくなんか頼りないんじゃないか』 と言うんですよ。 順子さん そんなにしっかりしていたっけ 入社した時は 失敗ばかりしていた 順子さんなのに 順子: そんなー 私って ドジな女ですよ しっかり何かしていませんよ。 課長: それでね 野村君は 少し迷っているようで どうすればいいか 私に相談してきたんだ。 順子: 課長 大丈夫です 私きっと 野村さんと幸せになれる自信有ります。 私に 力を貸して下さい。 課長: おー 順子さん 積極的だね 前の順子さんは 優柔不断のように思えたんだけど 最近 積極的になったよね。 恋したからかい 野村君に一目惚れしたのか まだ一回しか会っていないのに 順子: そうなんですけど でも お願いします。 課長: んー そうだね じゃ 野村君に ぼくから言っとくよ 順子さん ちょっとおしとやかな方が 野村君の好みかも知れないよ 順子さんは若いんだから もっと若いように 振る舞った方が 背伸びしたらダメだよ 順子: ありがとうございます。 課長よろしくお願いします。 どうかよろしくお願いします。 順子は 平身低頭して 頼みました。 順子は 野村と結婚できなければ どうなるかわからないと 考えました。 やっぱり 野村は 若い従順な女性が好きだったんだと思いました。 30年前の順子がそうであったように。