ロフト付きはおもしろい

ロフト大好きの68歳の老人の日記です

ブログ小説「突然30年前に戻った順子の場合」その68

「じゅんこさん」と
声を掛けたのは
海老沢君です。

順子は
振り返って
「私は
じゅんこではありません。

よりこなんです。」と
すこし
硬い口調で
いいました。

海老沢:
すみません。

それは知っています。

でも
私には
じゅんこさんなんです。

すこしだけ
話をしても良いですか。

私の話を
聞いて下さい

と真剣に言い寄りました。

順子:
すこしだけですよ

というしかありませんでした。

公園のベンチは
一杯でしたから
下段の縁に
座ることにしました。

海老沢君は
ハンカチを出して
花壇の縁に
敷いてくれました。

そんな事されるのは
人生で初めてです。

花壇に隣同士に
座っても
話は始まりませんでした。

前に会ったときには
あんなに話が
弾んだのにと
順子は
思いました。

海老沢君から
話が始まりました。

海老沢:
前に出会ったのは
偶然ではないのです。